ヒメウズラはひどい目に遭っても2ヶ月で忘れることができるらしい。
隣の部屋に行きたくて行きたくてしょうがないピリカ。
パソコンに挟まって恐い思いをした事はもう記憶にないようだ。
火山弾。
ピリカは最近、人間様の膝から降りて床をうろうろするようになった。
床には散らばっているインコや文鳥どものエサを拾って歩くのが楽しいらしい。
普段ペレットだけで暮らしているので、アワやヒエといった穀物餌はピリカにとって珍しいごちそうなのに加えて、食べるのに全く不自由のない生活を送っていても、やはり鳥の本能として、自分で探して食べたいというのがあるらしい。
そしてしばらくすると気取った足取りで人間様の膝に戻ってくる。
なのでエサ入れだけでなく、飼育ケースの床にもエサを少し撒いてやることにした。
すると敷いてあるワラをかきわけたりひっくり返したりしながら、一生懸命探して食べている。
撒いているのもペレットなのだが、いつもエサ入れよりこっちを先にあさり出すので、やっぱり自分で探す方が満足度が高い模様。
意外と険しい目つきのピリカ。
ヨウムと同じように、気分によって瞳孔が大きくなったり小さくなったりする。
最近、明るくして寝かせていても、夜中にボコボコジャンプ大会をするようになった。
今度はいったい何事かとたまりかねて覗くと、別におびえているでも何でもなくて、ただ出してほしくてうろうろしまくっているピリカと目が合う。
どうやら、暴れる度に覗いていたので、ジャンプをしていれば人間様が覗いてかまってくれると覚えてしまったらしい。
しょうがないので断固無視することにしたら、やがてあきらめたらしくてやらなくなった。
ウズラって以外と小知恵があるな。
頭こんなにちっちゃいのに。
というか、なんで夜中に遊びたくなるんだ……。
最近、ピリカが明け方になるとジャンプ大会を始めるので困っている。
ただ跳ねるのではなく、蓋がわりのシャワーキャップに全力でぶつかってくるので、シャワーキャップが太鼓みたいにボンボン鳴っている。
そして音に目を覚ました人間様がお休み布をめくってなだめると、一旦は納得するのか静かになるのだが、またしばらくするとまた全力ジャンプが再開、キャップもボンボン鳴り始める。
これが数時間に渡って続くので、ここ数日人間様は寝不足で遅刻気味。このままではいろんな意味でまずいので、かなり真剣にネットで対策を探してみた。
すると、夜中の大運動会はウズラでは割と珍しくないらしく、似たような目に合っている飼い主の相談が何件か引っかかってきた。
どうやら、ウズラは自分が目を覚ました時に暗くて周囲が見えないとパニックになり、飛んだり跳ねたりするらしい。インコや文鳥ではそんな話は聞いた事もないから、ウズラどんだけデリケートなんだと思ったが、とりあえず無印良品で小さなライトを買ってきて、一晩それをつけたままピリカを寝かせてみることにした。
すると、その晩からぴたりとジャンプ大会がなくなった。
多分、これはウズラが家禽として野外や外の明かりが入る小屋で飼われている時には、起こらない事象なんだろうと推測。なぜなら、ウズラが目を覚ます時にはあたりも薄明で明るくなってきているから。
ペットとして室内で飼われて、カーテンや雨戸、またはお休み布で、ウズラの生活リズムに関係なく暗くされることで、本能が環境についていけなくなっているのだろうと思う。
会社から帰ってきたら、ピリカがいなくなっていた。
よく見ると、シャワーキャップに大きな裂け目が出来ている。
例によって飛び跳ねてぶつかっているうちにキャップが裂け、そこから跳びだしてしまったらしい。
呼ぶとピヨピヨ返事が聞こえてくるので、部屋の中にはいるらしいのだが、全く姿が見当たらない。
まさか取り出せない所に入り込んでしまったのではないか焦りながら探すこと数分。
暗闇の中で(ケースにはまだ乾いていないフンが残っていたので、出たのは夜になってからだと思われる)やみくもに飛び回った挙げ句、カーテンレールカバーの上に乗っかってしまった模様。
よっぽど心細かったのか、人間様が降ろそうとする前に必死で飛び降りてきた。
シャワーキャップでは今のピリカには力不足ということが分かったので、早急に他の蓋を考えなくてはならない。
でもいきなりは思いつかないので、キャップの上にさらに古タオルを乗せている。
少なくともこれは破れないし。