最近、ティカルは良く姿を消している。
一体何が気に入ったのか、オモチャとカゴの金網のわずかなすき間に挟まっているのだ。
ここのところ頭を掻く気持ちよさに目覚めたようで、子供のティカルなりに工夫してオモチャを使って後頭部を掻いているっぽいのだが、時々「ギャ」という悲鳴が聞こえてきたりするのでちょっと心配になる。
最近のフェデフルール。
相変わらず片足は動かないが、それ以外は完全に前と変わらない生活をしている。
急に何かが動いたり、見慣れない物が出てきたりするとすぐおびえてバタバタするので、視界を狭くするためにカバーをかけているが、日長1日こうやって前にいて外を眺めている。自分が眺めていていろいろ見えるのはいいらしい。
良く鳴くし羽繕いもまめにやっていて体もきれい。
あと、1本残しておいた止まり木や、お気に入りだった一番奥のかじり木止まり木にたまにのぼっていくのを見かけるようになった。
パサパサ羽ばたいて勢いをつけながらくちばしと片足で金網をよじのぼり、片足だけでとまっている。まあ鳥が片足だけでとまるのは習慣でもあるので、その延長でいられるらしい。そしてお腹がすいたり喉が渇いたりして、床のご飯どころに戻る時は、勢いをつけて一気に床まで飛んでそのまま転げている。
いいのかそれ、と思っていたが、さすがにちょっと大変らしくて、一旦下りるとしばらく床で休んでいたりする。
キキョウインコというのは、端から見ていると、羽こそきれいだが大人しくて気が小さくて、人にもあまりなつかず、マメルリハやセキセイあたりと比べるとお人形さん的なイメージがあった。が、飼ってみると、確かにビビリではあるものの、一方で相当アグレッシブな挑戦者である事が分かる。カゴに手を入れるとおびえた声こそ出すものの、くちばしを開いた交戦態勢のまま一歩も引かないし。
ティカルが我が家に来てから3週間。
朝晩2回の刺し餌が夜1回になったぐらいで、外見上の目立った変化は全くないのだが、それでも少しずつは成長しているらしい。
以前はカゴの床が主な活動場所だったのだが、最近は止まり木に長時間とまっているようになった。とまっているだけでなく、羽繕いもいつの間にか止まり木の上でできるようになっている(でも床でゴロゴロしながらやっている事も多い)。
好奇心も強くなってきて、特に囓ったり噛んだりすることに興味を持つようになった。もっとも人間様に対しては、たまに気に入らないと甘噛みするぐらいで全くくちばしを向けてくることはない。まだ小さいのにちゃんとそのあたりの区別はついているらしい。
これは変な所を囓る事を覚える前に発散させる必要があると思ったので、セノーテも愛用していた木とロープのオモチャを入れてやることにした。
これなら場所によって歯ごたえが違うし、工夫次第でいろんな遊び方ができるし、ロープも短いので絡まる可能性も低い。
入れてやったらすぐ囓り回していたが、目下一番気に入ったのは一番下についている金属のベルのようで、暇さえあればガチガチガチガチ音を立てて噛んでいる。
そこなんだ……。
午後休みを取って、イタリアン帆船『アメリゴ・ヴェスプッチ』の船内見学に行ってきた。
一般公開はしないが、事前に時間で予約をしておくと見ることができる。
たまたまイタリア大使館のツイートを見ていて知ったので、即予約してきた。
『アメリゴ・ヴェスプッチ』は世界一美しい帆船と言われているらしい。
個人的には『クアウテモック』の方が好みだけど、確かに均整が取れていて、軍艦特有の力強さもあるデザインだと思う。
『クアウテモック』は比べるとちょっと華奢すぎる感じかな。
並んではいないが結構人がいる。
なんだか嫌な予感がするぞ。
あともう夕方なのでちゃんと「ボナセーラ」って挨拶して入った。
船内、めちゃくちゃごったがえしていた。
上甲板をぐるっと回るだけらしいのに、ラッタルなどでは渋滞が起こっている。人を避けるだけでもういっぱいいっぱいの感じ。
それでも来たからにはちゃんと見ないと。
後甲板。日よけのシートで空が塞がれているのが残念。
きっといい景色だっただろうに。
ちょっとした結束用のシートにも、こんな感じでオシャレな絵や文字が入っている。
ドアだってオシャレ。
これ、ガラスも90年前のなのかな……。
ちょっとした器具もいちいち芸術品ぽくなっている。
確かに、世界一美しい船を自認するだけの事はある。
マストとロープ留め。
多分こうやってどの部分のロープなのかが全部分かるようになってるんだと思う。
まあそうじゃないと混乱するよね。この数だし。
多分天測用の羅針盤じゃないかと思うんだけど、海の上につきでてるんだよね……。
幹部がいるか不在か示すやつ。
変な角度なのは、あまりにぴかぴかなので正面から写すと自分が写り込んじゃうから。
なお艦長は外出中らしい。
乗船から下船まで約30分弱。
特に時間制限などはなかったのでいくらでも見ていられたのだが、あまりにも人が多すぎるのでちょっとげんなりして降りてしまった。
今日も風が強いので、景気よく旗が翻ってる。
ターミナルの送迎デッキに上がって見下ろすと、こんな感じ。
人すごい。
隣で写真を撮ってた若い女の子二人組が「帆船かっこいい、あんなコンテナ船なんかよりずっといいよ!」とかさかんに言っていた。コンテナ船かっこいいじゃないか、馬鹿にするな……。
早く船を下りてしまったので、結構時間が余っている。
ターミナル内で船やイタリア軍グッズを売っていたので、じゃあちょっと買おうかと思って入ったのだが、普通の裏起毛パーカー(胸に『アメリゴ・ヴェスプッチ』の刺繍入り)が26000円、同じく刺繍入りの速乾Tシャツが12000円、晴雨兼用傘が16000円と、とんでもない値段がついている。
結局、ペラペラのトートバッグ(2600円)と帆布を使った特製しおり(2500円)を買ったのだが、しおりはともかくトートバッグは日本なら500円ぐらいで買えそうな代物。
いやこれ米軍以上のぼったくりじゃない? 円安でなめられてるな日本……。
そしてあたりをうろついていたら、同じくターミナルでイタリア海軍軍楽隊のコンサートが始まるというので、見に行ってみた。
事前の応募者か招待者対象らしいが、そうでない人も後ろの方から立ち見で見ることができる。
30分ぐらいのミニコンサートだろうと思って気軽に見始めたら、1時間以上かかる本格的なやつだった。もちろんずっと立ちっぱなし。足が痛い。
演奏したのは「アイーダ」の序曲とか、マーチいろいろとか、オーソレ・ミオとか麗しのトレントとか、あと名前は分からないけど多分イタリアの曲とか。
さすが世界を回る軍楽隊なだけあって、いい音だし演奏もきれいだった。音にまったくムラや雑味がないのね。
いい物を聞いたわ。
そしてターミナルもライトアップしていた。
上に突き出ている『アメリゴ・ヴェスプッチ』のマストの色と、ターミナルの色が丁度同じなのが、多分偶然だろうと思うけどいい演出。
うーん、もうちょっと船を見れたらよかったんだけど、まあ仕方ないか。
でも音楽隊は良かったし、楽しかった。
お台場の国債客船ターミナルに、ドイツ海軍の輸送艦とフリゲートが来ているので、見に行った。
……朝すでに出港していた。
しかも横須賀の船越に入ったらしい。
あー、昨日こっちに来て、今日軍港めぐりにすれば良かった!
最初はそうしてたのに、横浜から行くなら横須賀の方が近いから変えちゃったんだよ!
でもなんか入れ替わりに、イタリア海軍の練習帆船が入港してくるらしい。
海自や関係者が歓迎の準備をしているし、見送りデッキにはカメラやスマホを持った人達が鈴なりになっている。
うーん、じゃあちょっと待っててみようかな。
30分ぐらい待っていたら姿を現した。
海保とタグボートにエスコートされるイタリア海軍練習帆船『アメリゴ・ヴェスプッチ』。
進水したのは1931年というから今年93歳。建造以来ずっと現役で海軍の士官候補生達を乗せて航海していたらしい。ほんとヨーロッパにとっては帆船は文化なんだな……。
そして実はここからが長かった。
向かい風でスピードが出せないのか、なかなか近づいてこない。
暇を持て余して、上が羽田空港の航路で時々飛行機が上を横切るので、その度に写真を撮ってみたりする。
気付けばカメラを持った皆さんがみんな同じ事をやっている。
これは飛行機2機のパターン。
後ろのはまさに着陸寸前。
そんなこんなで1時間ほど眺めていただろうか。
ようやく岸壁近くに到着した『アメリゴ・ヴェスプッチ』は着岸体勢に入った。
そのまま押してもらって岸壁に近づこうとするが、風と潮に流されてなかなかうまくいかない。
この時、海自の音楽隊が歓迎の音楽の演奏を始めていたのだが、あまりにも時間がかかるので準備していたレパートリーが尽きたらしくて、とうとう宇宙戦艦ヤマトとか演奏し始めていた。
そんなこんなで30分ほどかかっただろうか。
ようやくもやいを渡せる距離にまで近づいてきた。
最近は手で投げるんじゃなくて、射出銃を使うのね。
作業員の人が発射されたロープをたぐり寄せて、つながれていたもやいをボラードにひっかける。
そして舳先の上では、入港した印に旗を揚げている人がいた。
これ、下は海なんですよね……。
やっとここまで近づいたよ!
ここまで来ると、次々とロープが投げられて岸壁に固定され、船側のウィンチで引き寄せることができるのであっという間。
入港!
帆船もだけど、思うように動かない帆船を一生懸命押したり引っ張ったりしていたタグの皆さんお疲れ様でした。
いやー待った。
スッと来てスッと着岸してくる護衛艦に慣れてるから、ほんといつまでたっても進まないし着岸できない帆船大変だなって心から思った。
でも、待ったけどなかなか楽しかった。
ドイツ艦は残念だったけど、これはこれで面白かったからまあいいや。
その後、時間があったので、六本木のサントリー美術館に「尾張徳川家の至宝展」を見てきた。
その名の通り、徳川家が設立した財団法人徳川美術館が所蔵する尾張徳川家の宝物の展示会。
なにしろ尾張徳川家なので、歴史的にもお宝的にも貴重な物がこれでもとばかりに展示されていて、普通に面白かった。
パシフィコ横浜の「巨大恐竜展」と横須賀に来ているイタリアの空母をハシゴしてきた。
まずは「巨大恐竜展」。
今回の売りは全長37メートルのパタゴティタン・マヨルムの骨格標本。
パラリティタンなら知ってるけど、パタゴティタンは知らないな。近縁種なのかな……。
右がガストルニス、左がエピオルニス。
なんか漫才コンビみたいな語感。
福井博物館にもあった動く模型も数体展示されている。これは頭がぐりぐり動くスピノサウルス。
スピノサウルス好きなんだよね。
この風体で魚が主食ってのがまた好き。子供に思いっきり恐がられてたけど。
ティラノかと思いきや、祖先筋にあたる方だった。
ティラノは後ろに頭骨だけ展示してあった。
噂のパタゴティタン・マヨルム。確かに噂に違わずデカい。
というか高い。腹の下とか普通に歩いてくぐれそう。
福井駅前にもいたやつ。フクイティタン。
これも首をぐいんぐいん動かしていた。
……の頭骨とディプロドクスの頭骨の比較。
ディプロドクスは櫛状の歯で植物をしごき取って食べ、カマラサウルスは幅広の歯で食いちぎって食べていたそう。
これも福井にあったパラサウロロフスのミイラ化石(のレプリカ)。
正直実物と比べるとちょっと作りが荒い。
特に尖ったところもなくて、無難にまとめてある感じだった。
会期が夏休み中という事もあってか、子供が遊んだり操作したりしながら恐竜の事を学べるような展示が結構あった。
大人が触っても面白そうだったのだが、どれも親子連れで大行列していたので諦めた。
さて、恐竜は終わったし、イタリアン空母に行くか。
左がイタリアン空母『カヴール』。右は随伴艦のフリゲート『アルピーノ』。
前に来た『クイーン・エリザベス』は正規空母で巨大なため、米軍基地にしか泊められなかったけど、『カヴール』は軽空母で大きさも『いずも』と変わらない。
なので、自衛隊のほうに停泊できている。
もちろん軍港めぐりを予約してある。
水曜日あたりにサイトを見た時は、まだ150名以上空きがあったのに、今日見たら全便満員。
しかも1時間前に来てこの行列。
客層もこう、いつもの観光客然としたグループや家族連れではなく、独特のバッグとファッションとカメラの似たような雰囲気の男性ばかり。
出港してすぐの『カヴール』。
『クイーン・エリザベス』と同じスキージャンプ式。あと後ろに戦闘機がずらりと並んでいる。
米軍の空母は搭載戦闘機を入港前に全部岩国(昔は厚木)に飛ばして空荷で入って来るから、こうやって戦闘機を乗せたままの空母を見るのは初めて。
艦橋の窓が色とりどりなのは、偏光ガラスかなにかなのかな?
なお、今朝になってフランスの駆逐艦『ブルターニュ』も来たらしい。そういえばフランスも見るの初めてな気がする。
吉倉がイタリアと護衛艦でいっぱいなので、米軍の方に泊めていた。
『カヴール』に載っている戦闘機はハリアーIIとF-35Bとのこと。どちらも垂直離着陸が可能なので、『いずも』とサイズの変わらないこの空母でも運用できる。
ん? F-35Bって『いずも』に載せる予定のやつじゃなかったっけ。なんかこうやって見せる背後に日本政府の思惑を感じるのは気のせいかな?
他の人から言われて気付いたのだが、垂直尾翼になんかの足跡が描いてある。
どうやら狼が部隊のシンボルらしいので、狼のかな? かわいい。
海側からの『カヴール』。
これが撮りたくて軍港めぐりをやった言っても過言ではない。
そしてこちらは『カヴール』に場所を譲って沖に追い出されている『いずも』さん。
あなたも近々あんな風にF-35Bをずらりと並べるようになるのね。どういうとこで使うのか良く分からないけど。
良く見たら『くまの』も沖留めさせられてた。
居住性良くないのにちょっとかわいそう。
このへんはいつものメンバー。
海洋観測艦『しょうなん』と掃海艇『ちちじま』。
どうも、普段船越にいる護衛艦も吉倉に集められているっぽい。
あと潜水艦たちは訓練かな。潜水母艦と救難艦もいなかったから。
ナンバー1トリオ。左から『むらさめ』、『おおなみ』、『もがみ』。
左から右へ順に新しくなっていく。
こうして軍港めぐりで『カヴール』を堪能しまくったが、折角艦載機を載せているのだから、もうちょっとこう良く撮れる高い場所はないかなと思い始めた。
メルキュールは今回予約していなかったので、他の心当たりを探してみたが、これが精一杯。
軍港めぐりがあるコスカーベイサイドストアーズの撮影スポットからも撮ってみたのだが、いろいろとコレジャナイ感じになった。
そして最後はヴェルニー公園。
アメリカ以外の空母を見る機会なんてないだろうと思っていたのに、この数年の間にイギリスとイタリアまで見れてしまった。
それだけ日本近辺の政情が不安定になりつつあるという事なんだろうけれど、でも、知らない船を見れるのは純粋に興味深いし面白い。
フェデフルールの片足がマヒしてしまった。
昨日の晩、突然止まり木から落ち、バタバタ羽ばたきながら金網を這い上ろうとし始めたので、捕まえて調べてみたら、右足が完全に動かなくなっていた。
その時まで特に怪我をしそうな行動はしていなかったし、直前までごく普通に過ごしていたので、何が起こったのか全く分からない。とりあえず床に近い止まり木をはずして餌入れ、水入れを床から食べられる物に変えて様子を見ることにした。
が、翌日になっても状況は変わらない。
セノーテの鳥ボルナウィルスが感染、発症したのかと恐怖したが、右足以外は全く正常。むしろ、足が動かない事にショックを受けて大人しくなっていた昨日よりも元気がいいし、おやつやエサも良く食べる。移動も最初のうちこそ床をもがきながら這っていたが、そのうち羽ばたいてその勢いで移動する技を編み出していた。
ただ、右足をひきずっている状態で、やっぱりバランスが取りにくいようなので、餌入れと水入れの位置を人間様、フェデフルール双方が試行錯誤した結果、こんな感じに落ち着いた。
病院へ連れていきたいのだが、ただ、これまでの経験からすると、こういうのは大抵「分からない」にしかならないんだよな……。
どうせ予約も取れないし、少し経過を見てみようか……。
ティカルはなんだかあっという間に馴れて、暇さえあればかまって欲しがるようになった。
あんまりベタベタにするとお互い後が大変なので、適当にほったらかしにしてひとり遊びをさせているのだが、セノーテも連れてきた翌日には結構なじんでいたから、コミドリって種類として順応力が高いのかも。
トイレットペーパーの芯はやはり刺さるらしい。
かなり喜んでしきりに噛んではくわえてふりまわしたりしている。
ハーネスに挑戦してみようと思い、まずは慣らすためにカゴの上に置いたら、早速オモチャにし始めた。
ただ、平気なのかと思って外に出した時にかぶせてみようとしたら、その後ぴたりと近寄らなくなった。
どうやらかなり嫌だったらしい。
これだけ良く遊ぶのだが、まだ止まり木は不安定で方向転換とか下手くそなんだよね。