また長門の変な顔が撮れてしまった……。
ほんとこの子はレンズの前でとりつくろうという事をしない子だね。
まあこっちも期待してないけどさ。
最近、ピリカが明け方になるとジャンプ大会を始めるので困っている。
ただ跳ねるのではなく、蓋がわりのシャワーキャップに全力でぶつかってくるので、シャワーキャップが太鼓みたいにボンボン鳴っている。
そして音に目を覚ました人間様がお休み布をめくってなだめると、一旦は納得するのか静かになるのだが、またしばらくするとまた全力ジャンプが再開、キャップもボンボン鳴り始める。
これが数時間に渡って続くので、ここ数日人間様は寝不足で遅刻気味。このままではいろんな意味でまずいので、かなり真剣にネットで対策を探してみた。
すると、夜中の大運動会はウズラでは割と珍しくないらしく、似たような目に合っている飼い主の相談が何件か引っかかってきた。
どうやら、ウズラは自分が目を覚ました時に暗くて周囲が見えないとパニックになり、飛んだり跳ねたりするらしい。インコや文鳥ではそんな話は聞いた事もないから、ウズラどんだけデリケートなんだと思ったが、とりあえず無印良品で小さなライトを買ってきて、一晩それをつけたままピリカを寝かせてみることにした。
すると、その晩からぴたりとジャンプ大会がなくなった。
多分、これはウズラが家禽として野外や外の明かりが入る小屋で飼われている時には、起こらない事象なんだろうと推測。なぜなら、ウズラが目を覚ます時にはあたりも薄明で明るくなってきているから。
ペットとして室内で飼われて、カーテンや雨戸、またはお休み布で、ウズラの生活リズムに関係なく暗くされることで、本能が環境についていけなくなっているのだろうと思う。
会社から帰ってきたら、ピリカがいなくなっていた。
よく見ると、シャワーキャップに大きな裂け目が出来ている。
例によって飛び跳ねてぶつかっているうちにキャップが裂け、そこから跳びだしてしまったらしい。
呼ぶとピヨピヨ返事が聞こえてくるので、部屋の中にはいるらしいのだが、全く姿が見当たらない。
まさか取り出せない所に入り込んでしまったのではないか焦りながら探すこと数分。
暗闇の中で(ケースにはまだ乾いていないフンが残っていたので、出たのは夜になってからだと思われる)やみくもに飛び回った挙げ句、カーテンレールカバーの上に乗っかってしまった模様。
よっぽど心細かったのか、人間様が降ろそうとする前に必死で飛び降りてきた。
シャワーキャップでは今のピリカには力不足ということが分かったので、早急に他の蓋を考えなくてはならない。
でもいきなりは思いつかないので、キャップの上にさらに古タオルを乗せている。
少なくともこれは破れないし。
夕食の後片付けを終えて、さてテレビを見ながら鳥どもと遊ぶかと部屋に戻ると、何やら茶色い楕円形の物体が畳の上をちょろちょろっと動いたのでぎょっとした。
ここはマンションの5階なのでテラフォーマーはいないはず、とよく見るとなんとピリカがすました顔で歩いている。
なぜケースの外に?! と一瞬混乱したが、どうやら、姿が見えなくなった人間様を追いたくてケースの中で跳ね続け、蓋代わりのシャンプーハットにボンボンぶつかっているうちに、ハットの隅がはずれてそこから跳び出したらしい。
幸い、人間様を探して部屋の中をうろうろしていただけだったが、これがどこかのすき間にでも入り込んでたら大変だった。