2/2、3と奈良東大寺の修二会と高野山の火祭りを見るツアーに行ってきたので、後追いでアップします。
この日は朝から午前中いっぱいかけてバスで奈良から高野山に移動。お昼ご飯を経て13時から行われる高野山の火祭りを見る。
そしてその後は弘法大師のいる奥の院にお参りした後、またバスで大坂までとって返し、新幹線で帰ってくる。
昨日に続いて添乗員の段取りが悪いこともあり、結構バタバタの強行軍で、お年寄りの参加者とか大丈夫かとちょっと心配したが、さすがにこういうツアーに参加するようなご老人は普段から歩き慣れているのか、皆さん割と平気な顔をしていた。

火祭りというと松明を持って練り歩くとか、山焼きみたいなのをやるとかイメージしがちだが、調べたら金剛峯寺前の駐車場でお炊き上げをしつつ、無病息災と世界の安寧を祈願するというものらしい。
会場はこんな感じ。駐車場の真ん中に四角くしめ縄を巡らせ、結界を作って、そこに護摩木や杉の葉でお炊き上げ用の山をこしらえてある。
コンクリートの「バス」の文字がなかなかシュール。

まずは地元のちびっこ和太鼓同好会みたいな団体が、太鼓を奉納する。向こう側が招待客のいる正面なので完全に後ろ姿。
子供のやることだと思っていたら、かなり上手でびっくりした。もちろん太鼓も子供が音を出しやすいように調整してあるのだろうが、自衛太鼓と比べてもそこそこ遜色ない感じ。
ただ、音を出すのに背伸びをしないとならないような小さな男の子たちが宮太鼓を担当し、明らかにもっと背が高くて力がある大きな女の子が全員締太鼓というのがちょっと気になった。
自分だったら宮太鼓の方をやりたいと思うし。

太鼓が終わるとお坊さんたちが入場。
管長(金剛峯寺で一番偉いお坊さん)が来るのに備えて「南無大師遍照金剛」と唱え始める。

法螺貝を吹く修験者を従えて管長入場。
場のお清めをして帰っていった。

この後は、お清めされた場を本堂に見立てて儀式が行われる。
儀式をする山伏達が、中にいる山伏に入場を求めて問答を交わす。
錫杖を鳴らしながら大声でやり合うのが面白い。

いつの間にか巫女さん達がやってきていた。
お坊さんと巫女さんと山伏というあんまりない組み合わせ。



入場を許可された山伏達が、斧、剣、弓でさらに場を清める。
弓は四方に向かって実際に矢を射るのだが、この矢が縁起物だそうで、外では大勢の人が待ち構えて放たれた矢を追いかけていた。


積んであるのが生の葉なので、点火してもいきなりは燃え出さず、まずは煙が出てくる。
すると控えていたお坊さんと山伏の皆さんが、太鼓や錫杖を鳴らしながら般若心経を唱え始める。

青空を背景に、日が陰るくらい濃い大量の煙が、うねりながら立ちのぼっていく。
般若心経の斉唱や太鼓とも相まって、なんとも荒々しい迫力。これはすごい。

煙の勢いが衰えて代わりに炎が燃えさかり始めると、山伏の皆さんはやはり般若心経を唱え続けながら、手に手に護摩木を持って投げ入れていく。
さらにおさめられた古札なんかも燃やされる。
これでひととおりの儀式は終了。
後はこの火がおさまるまで、ひたすら山伏の皆さんは般若心経を唱えながらお札や護摩木を燃やし続ける。
そして、先程の煙で清めたお札を配布するという。
ということは、思いっきり煙を浴びた人間様はお札なみに清められた存在になったということではないか、とちらっと思ったりしながら、とりあえずはお札をもらいに行くことにした。

特に行列の指示もないため、みんな好きな場所から配布場所に押し寄せて、大混雑になっている。
ただ、「お札は十分あります」という、まるで特売かなにかのようなアナウンスが繰返されたお陰か、皆さん割り込みや押しのけをすることもなく、少しずつ進む流れに添って静かに待っている。
そして意外と流れも速くて、20分ぐらいでお札をもらうことができた。
ここまで1時間半程度。
ずっと立ちっぱなしだったので足が少々つらいが、真言宗の正式な儀式なんて見たことがなかったのでとても面白かった。
やっぱり真言宗は勇ましくて盛り上がるなあ。
と感慨にふける間もなく、次は奥の院のガイド付きお参り。
奥の院は結構楽しみにしていたので、例によって段取りが悪くて出発まで1時間程度しかない慌ただしいお参りしかできなかったのがちょっとがっかりだった。

前に来た時は飛行機的なオブジェだったが、ロケットに代わっていた新明和の企業墓(慰霊碑)。

ヤクルトの企業墓。
……なんか、お墓そのものが一目で分かる広告みたいになってるな……。

法然のお墓。
法然は浄土宗、弘法大師は真言宗だが、奥の院そのものは無宗派なので、どこの宗教の人でも入れる。
キリスト教徒の墓もあったりするらしい。
奥の院は例によって撮影禁止。
ただ、この時点で16時近かったせいか、火祭りの後の割には人も少なくて静かに見ることができた。



































































