水浴びこわい

 会社の帰りに近所のペットショップに寄ったら、ものすごく人なつこいオカメインコがいて、人間様に向かって口笛をまねしたとおぼしき歌を一生懸命歌ってくれるのだが、あまりに改変されすぎていて何の歌なのか全く分からなかったのが残念だった。
 閑話休題。
 実は長門は今の家に引っ越してから、1度も水浴びをしていない。
 カゴがある四畳半のすぐ隣が洗面所なのだが、連れていこうとすると怖がって四畳半に逃げ戻ってしまうのである。
 前のアパートでは最初から何の問題もなく洗面所に行っていたし、それと比べて怖がる要素が特にあるとも思えないのだが、何かが長門にとってはイヤらしい。
 しょうがないのでたまに霧吹きをかけてやったりしているのだが、なんだか最近羽がゴワゴワしてきた感じ。

 春までには1回ぐらいしないとね。

すまきのくらま

 朝起きたら、くらまがエサも食べずにじっと眼をつぶっていた。
 薬を飲ませても様子が変わらないので心配しながら会社に行ったのだが、帰ってきたら何事もなかったかのようにもりもりエサを食べていた。
 どうやら単に眠かっただけらしい。

 投薬するのでティッシュですまきにして保定。慣れない人は直接掴むのではなくこうすると楽。大きな鳥はタオルで。
 なんかもうあきらめてるのか暴れるそぶりもないが、それでも決して好きでやられている訳ではないと主張するように、必ず一言「ぎゅー」と小さな声で文句をつぶやくのがちょっと切ない。

帰ってきたくらま

 突然だが、くらまが退院した。
 最初は1月いっぱいぐらい入院の予定だったのだが、予想以上に元気になったので、また家でしばらく様子を見ることになった。

 この間吐いたガムシロップでまだ顔や胸元がガビガビのまんま。
 気になるらしくてさかんにもぞもぞやっているのできれいにしてやりたいけど、霧吹きとかできないのでどうしようもない。
 エサも食べるしさかんに鳴くし「出して!」もやるしで調子はすごくいいみたいだけど、またどうなるか分からないので安心はできない。

男の本能

 長門のオモチャは大体他の動物用の物を流用している。
 これは確かウサギだかモルモットだか用のヘチマのオモチャ。

 元々はヘチマをを根菜の形に切ったものだったが、今は見る影もない。
 あまり好きなオモチャではないらしく、たまに囓るぐらいで長いこと放置されていたのだが、最近急にあちこち持ち歩き始めた。
 まあこの鳥の場合、その手の気まぐれは良くあることなのだが、どうやら長門がこのヘチマをダッチワイフがわりにしてるらしいことが分かってからは、どうしたもんかと悩んでいる。
 確かにインコの胴体とほぼ同スケールだけどさ。
 

 あんまり見境ないと取り上げるよ。

三つどもえ


 ノーマルに迫るホモと、それを下から出歯亀している何も考えていない奴。
 まあ好き嫌いはしょうがないけど、嫌がってるのに迫るのはやめてくれないもんかね。
 くらまだが、ある程度状態が安定するまで病院で面倒を見させて欲しいという申し出が獣医さんからあった。
 こちらもそのほうが安心していられるのだが、問題は費用。ぶっちゃけもう20万を越えていて、カードはそろそろ限度額になりそうだし、多分夏のボーナスはくらまの病院費だけで終わってしまう。
 獣医さん側もそのあたりは承知してくれて、ある程度押さえた値段を提案してくれたのだが、「安定するまで」に何日かかるか分からない以上、即お願いしますとも言いにくい。
 でも一方で、望みのないただの延命ならともかく望みがあり、くらま本人も生きる気でいるのに、人間の都合で治療を打ち切り死ぬに任せるというのはやってはいけないとも思う。

くらま退入院

 さて、くらまだが、退院してまた入院した。
 昨日一旦家に戻ってきたのだが、今日またエサを食べなくなり、かわりに飲ませてたガムシロップも全部吐いてしまって顔がガビガビになるというおまけまでついたため、夜の9時に病院ダッシュ。またしても緊急入院となってしまった。
「どうしてやったらいいんでしょうねえ」と獣医さんに言ったら「私たちもいろいろ考えてるんですが……」と言葉を濁されてしまった。
 どうしてやったらいいんだろうねえ。

調子が悪い

 くらまの退院がのびてしまった。
 午前中に病院に電話をしたら「エサも食べて動き回っているので、大丈夫だと思います」という話だったので、雪が小降りになる夕方を待って引き取りに行ったところ「すみません、午前中は元気だったんですが、午後になってなんだか状態が悪くなってしまいまして……」という申し訳なさそうな先生の言葉と共に、またエサも食べずに眠り続けるくらまの姿があった。
 天気も天気だし、これで無理に連れて帰っても良くないことは眼に見えているので、もう1日入院させておくことにした。
 血液検査や細菌検査等ができれば、なぜ急にこうなってしまうのかの原因も恐らく分かると思うのだが、なにしろ体重が減りすぎていて、身体に負担がかかる検査を一切できない状態なので、先生ももう困惑してしまっている。
 そして人間様も懐が非常に厳しいぞ。
 さて話は変わって、現在、我が家のインコ団地はこういう形になっている。

 真ん中の長門のカゴの上にくらまのカゴを置いていたのだが、くらまの療養プラケースを団地とは別の場所に設置したため、くらまのいたスペースが空いてしまった。
 そこで、3段重ねになっていたチャンドラのカゴを長門の上に置くことにした。
 そして数日後、チャンドラの左の翼がなんだかボソボソになってきているのに気づいた。

 翼の縁が不自然に毛羽立っている。

 左の風切り羽が歪んでいる。
 一体どうしたのかとチャンドラを見ていたら、羽繕いの時に自分で噛んでこんな風にしている。
 どうやら、嫌いな長門がすぐ下にいることに我慢できず、尾囓りならぬ羽囓りに及んだらしい。
 しょうがないのでまた元の3段重ねの最上階に戻したら、あっさり羽囓りは止まってボソボソだった羽も次第に元通りになってきた。
 ……そんなに長門がいやだったか、お前は。

くらま復活

 病院にくらまの様子を見に行ったら、何事もなかったかのように普通に止まり木にとまってエサをポリポリ食べていた。
 強制給餌したらあっさり良くなったらしい。
 念のためにもう一晩泊まって、明日退院できることになった。
 なんか良くわからんけど、この鳥の根性は半端じゃない気がする。
 ただ、こうやって衰弱→入院で強制給餌→回復を繰り返すのは、結局普段食べているエサから栄養が充分吸収できていないからということなので、例えばヒナ用のパウダーフードをエサに混ぜて食べさせる、あるいは家でも強制給餌をするという選択肢を先生から提示された。
 パウダーフードはヒナ用だけあって栄養価が高く、消化吸収もいいので食べてくれれば理想的なのだが、ペレット嫌いのくらまが食べるかどうかという問題がある。
 まあ、そもそもブリーダーさんの所ではパウダーフードで育てられていたので、未知の味ではないということを思い出せば何とかなるような気もするが、これはくらま次第なので分からない。
 一方の強制給餌というのは、早い話が口からそのうにチューブをつっこんで直接ペースト状にしたパウダーフードを流し込むというもの。多分人間相手だと看護師さんとか、資格のある人しかできない方法だが、動物相手には別にそういった制限はないので、人間様でも教えてもらえば家でやることは可能。
 ただ、長門みたいにでかい鳥ならともかく、極小サイズのマメルリハの口から素人がチューブをつっこんで適量のフードを流し込むとか、どう考えても無理。
 なので、とりあえずパウダーフードを自発的に食べてもらう作戦でいき、効果がなかったら覚悟を決めて強制給餌という方向でいくことにした。

くらま再々入院

 さて、今週もがんばっていたくらまだが、とうとうエサを食べなくなった。
 ずっと床で眠ったきりで、脚に麻痺が出てきたのか足元もおぼつかなくなっていたので、とりあえずガムシロップを大量に与えて(これはいくらでも飲む)3度目の病院送り。
 例によって保温と強制給餌で一晩様子を見ることになったが、これまで「這ってでも食べるぞ」だったくらまがエサを食べる気をなくしたというのはやはり深刻なようで、一応覚悟はしておいてくださいと言われた。
 なんとか春を迎えさせてやりたいんけどなあ、やっぱり無理なんだろうか。

小馬鹿にする

 長門がティッシュで遊ぶブロッサム、通称ちびころにちょっかいを出しに行こうとしたので手で阻止したら、こんな所業に出てきた。

 でろーん。
 ……完全に人間様のことをバカにしてるだろ、お前。