水浴び容器の入口にたたずむ五十鈴。
水浴びするなら邪魔しちゃ悪いなと思ってそのまま知らんぷりしていたのだが、いつまでも水に入る様子がない。
ずっとこのポーズのままこちらを見ている。
……もしかして、かまってほしいの?
奈良3日目。
今日は前回行き損ねた元興寺へ。そしてその後は適当に近所をふらふらする事にしている。
元興寺には飛鳥時代から使われている屋根瓦があって、それを見たいと思っていたのだ。

元興寺。
実は元々は昨日行った飛鳥寺が元興寺と呼ばれる寺だった。
飛鳥京から平城京への遷都の時に、このお寺も一部を残して平城京に移り、移った方が元興寺、残った方が飛鳥寺としてそれぞれ今に至る。

色が違っているあたりが、飛鳥時代に作られ、1000年を越えていまだ現役で頑張っている瓦。

アップ。
さすがに劣化しているけれど、それでもまだ瓦としての役目をちゃんと果たせているのがすごい。
昨日見た飛鳥寺の仏像の同期なんだな。
お互いこれからも長く頑張れるといいねえ。

まだ朝で人がほとんどいないので、スズメたちがあちこちでくつろいだりエサを探したりしている。
手水場で水を飲んでシュッとなったスズメ。
まだ朝のせいか、交通の便がいい奈良公園エリアから少し離れているせいか、人もほとんどいなくてゆっくり堪能できた。
風が通り抜けて涼しい本堂で座っていると、もうこのまま動きたくなくなるが、さすがにそれはどうなのかと思うので次の活動に移ることにする。

とはいえこの後特に予定があるわけでもない。
そういえば、春日大社の鹿みくじがかわいくて欲しいなと思ったので、春日大社に行くことにした。
たらたらと歩いていると奈良公園が見えてくる……が……鹿がいないぞ?

公園から鷺池まで20分ほど歩いたが、やっぱり1頭の鹿にも出会わない。
そういえば、コロナで観光客からせんべいをたらふくもらえなくなって数が減ったといつだかニュースでやっていたな。
あれは本当だったのか。
なお、池中央のお堂は浮見堂といい、ここも風が涼しくて非常に居心地がいい。
なので荷物整理などしながらかなり長居してしまった。

春日大社の境内に入ったところでやっと鹿出現。
袋角の状態でも角が立派なオス。

そういえば、春日大社に行く途中にある万葉植物園。
万葉集に出てくる植物を集めて展示している植物園なのだが、今の時期は藤園の藤が盛りらしい。
確かに山ではあちこちに咲いてたもんな、と思って行ってみたら、今年は高温のせいで開花が早く、もう遅咲きの最終しか咲いてないとのことだった。
まあ、藤の事がなくても一度見たい場所だったからいいけど。


この間行った松本は春の花の盛りだったけれど、さすがにこっちは春の花はほぼ終わっている。

藤園。
説明では、もう花なんてほとんどないような雰囲気だったが、咲き残りがあちこちに残っている事は残っている。
山の藤は木々を枯らす悪者だけど、こうやって園芸植物としてきちんと管理手入れされていれば、目に楽しいいい花なんだよなー。
思ったより見応えがあって満足したので、また春日大社に向かうことにする。
徐々に鹿と鹿せんべい屋と、鹿にちょっかいを出す観光客が増えてきた。

お腹に子供がいて気が立っているのか、衆人環視の中で突然、通りがかったマルチーズにどつき攻撃をしかけてきた鹿。
人間が近くに居ても全然そんな事なかったのに、やっぱり犬は捕食動物として危険視するんだろうか。全身の毛が逆立っている。
気の毒なマルチーズは何が起こったのか理解できず、おびえきった顔で飼い主に抱えられて待避していった。

そしてその鹿に気を取られている隙に、万葉植物園で買って持っていたアジサイの苗の葉を失敬しようと首を伸ばしてきていた鹿。
大人しくせんべい食べてなさい。

ついた。
見ての通り人がやたらと来ている。
なのでささっと拝殿でお参りして鹿みくじを買ってミッション終了。
御朱印は前に来た時にもらったしね。
さて、次は何をしようかな。
そういえば大仏殿のほうに、ちょっと気になる奈良漬屋があったんだった。
よしじゃあ行ってみようか。
圧縮効果ではなく、目で見ても本当にこのぐらいごった返している。
昨日の飛鳥も結構人が多いと思っていたのだが、あれでもまだ交通の便とかの関係で行く人があまりいない場所だったのだな……。

無事に奈良漬を買えたので、ついでに大仏でも見ていくかと思ったのだが……大仏の拝観券売り場もこの有様。
しかもここは県立美術館にある臨時売り場。
臨時売り場でこれなら、本来の売り場はどんなんなっちゃってるんだろう……。

あまりに人が多いので、鹿も嫌になってだれている。
せんべいももう食べきれないのか、差し出されても目もくれない鹿も多い。
明日もあさってもこれが続くんだぞ、頑張れ鹿。
予想した通り、大仏殿の拝観券売り場は1時間のアトラクション待ちみたいな様相を呈していた。
じゃあもういいやと諦めて大仏殿を後にしかけたのだが、臨時売り場の前を通りかかると、行きにはあれほど並んでいた行列が全くなくなっていて、あっという間に拝観券が購入できた。
あれ?
ちなみに、本来の売り場の列は短くなるどころか、最初に見た時より列が長くなっている有様だった。
ちゃんと「美術館の臨時売り場でも拝観券は買えます。本来の売り場で並ばないで済みます」と係の人が拡声器でアナウンスしているのに……。
とりあえず、後は行きたい所もないので、駅に向かうことにするか。
予定の新幹線よりだいぶ早いけど、時間変更で前倒しできるし。

帰り道に寄った氷室神社。
その名の通り、奈良近辺の氷室を守る神社らしい。
白紙のおみくじの紙を置いてある氷に当てると文字が浮き出てくる「氷みくじ」なんてのがあった。
のんびりとか言いながら、結構歩いた気がする。
今回は行程の都合で吉野を省いたけれど、今度はあっちのほうにも行きたいな。
今日は本命の石舞台古墳。
あと他にも、歴史の教科書にあった所を1日かけて回る予定。
バスの便があまりないのでレンタサイクルを使おうと、朝9時の開店と同時に駆けつけるぐらいの勢いで頑張り、在庫台数が少なくて競争率の高い電気自転車を首尾良くゲット。
意外とアップダウンの多い道に苦労する人力自転車の皆さんを尻目に、軽やかに飛鳥を駆け回るのだった。
仕事で早起きしても全く得しないけど、旅行では早起きは確実に得になるね。

そして自転車争奪に必死になるあまり、飛鳥駅とか導入を撮り損ねたので、いきなりキトラ古墳から。
壁画をちょっと見たかったから立ち寄ったんだけど……うーん、はい、円墳ですね。
いや、藤ノ木古墳でこんなもんだとは分かっていたけどね……。

でも山あいにあるので、景色がとてもいい。
キトラ古墳の被葬者は、男性という以外分かっていないそうだけど、彼もこういう風景を見ていたのかな。

古墳の近くには資料館が併設されていて、あの朱雀、玄武、青龍、白虎や天体図で有名な玄室の精巧なレプリカが展示されている。
はがれかけた漆喰まで再現している精巧さ。
実は、古墳内の本物はもう全部はがしてこの資料館で保存してしまっているので、今となってはこのレプリカだけが、発見当時と同じ形で内部を見れる唯一の物になってしまったんですと説明のおじさんが言ってた。
キトラ古墳の次は、石舞台古墳への途中であって、キトラと双璧をなすと言われる高松塚古墳に向かう。

例の古墳美人。これも精巧なレプリカ。
高松塚の壁画は、描かれた石ごと取り出して修復した後、また古墳の中に戻されて厳重に温度湿度を管理されているらしい。
とりあえず満足したので、またゆるゆると自転車で石舞台に向かっていたら、聖徳太子が生まれたという橘寺に出くわした。
まだ時間は全然あるし、ここも寄って行こうかな。

本堂。
大きな寺ではないけれど、こぢんまりとまとまっていて居心地がいい。

この日は天皇の命で橘を植えたという(橘寺の名はこの故事に由来する)田道間守の法要が行われていて、参拝者にもお下がりのみかん(ネーブルだけど)とお菓子が振る舞われた。
なんか思いがけずラッキー。おいしそうだけど、無事に家に持って帰れるかな……。
よし、ここからは石舞台古墳にまっしぐらだ。

近くで見ると想像以上に大きい。
そしてこんな隙間だらけなのに、石が安定して積まれているのすごい。
なお、今はすっかり石舞台の名が定着しているが、実は元々は地元では「石蓋」と呼ばれており、石舞台の名の由来になったという「女に化けた狐がこの上を舞台代わりにして舞ったという伝承」は出所不明の創作話らしい。
誰かが適当に言った嘘の方が、本来の名前や伝承を押しつぶして由来として定着するって、結構ちょくちょくあるんだろうな。歴史では。

天井。
地上部は上から1列目のみで、2列目から下は埋まっている。
楽しい。
実は昔からなぜか蘇我氏って好きだった。
逆に物部氏はなんだか暗いイメージで、いけ好かない感じがしていた。
もしかすると前世が蘇我氏だったのかもしれない。石舞台古墳を見ても全然何も思い出したりしなかったけど。

古墳の全体像。
盛り土を剥ぎ取られる前は四角形の方墳で、堀まで備えていたらしい。
今残っているので堀つきの古墳といったら天皇クラスかそれに準じるレベルの人物なので、葬られていたと言われる蘇我稲目(蘇我入鹿の父)がどれだけの権力を持っていたかがうかがい知れる。
とばかりに堪能していたのだが、ここで腕時計を橘寺に忘れたらしいことに気付いた。
休憩所で日よけ手袋をする時に外して置いて、そのままにしてしまったらしい。
いつもははずすと必ずバッグに入れるのに、この時だけたまたまやってしまった痛恨のミス。割と高級そうに見える時計なので、もう誰かに持ってかれちゃったかなーと思いつつ、自転車を飛ばして橘寺に戻ってみた。
置いたところにそのままあった!
戻った時には数人の人が休憩所を使っていたが、みんな持ち主が取りに来るかもしれないからとそっとしておいてくれたらしい。
皆さんありがとう。そして橘寺の仏様ありがとう。
お賽銭を奮発してもう一度お参りしてきました。
そんなわけで時計も戻って一安心なので、今度は飛鳥寺に向かうことにする。
……の前にまた途中で2ヶ所ほど寄り道をしてしまった。
まず最初の寄り道は岡寺。
全く行く予定はなかったのだが、近鉄電車の駅名にもなっているぐらい有名な寺らしいので、じゃあちょと寄ってみるかとなった次第。
そしてすぐにそれを後悔する事になる。
電動自転車で調子こいてやってきたのだが、さすがにこのレベルの坂はのぼれない。
仕方なくその辺に自転車を止めて、歩いて上がる事にする。
自業自得ではあるけれど、もうやだこのパターン。
全然下調べをしていないのでどういう由来か全く分からないが、この寺、こんな感じであちこちに色鮮やかな切り花がディスプレイしてある。
むしろこっちが花の御寺状態。


池。
映え写真を撮りたい皆さんが群がってスマホやカメラを構えていた。

本堂。
さすがに花はディスプレイしてなかった。
ここの本尊は大きな塑像の大仏で、表情が厳しめなのでものすごい迫力がある。

奥の院に続く階段。
よせばいいのにまた上ってしまった。
でも今回はそれほど長くなかったのでほっとした。
奥の院は、狭い洞窟の奥に岩仏が安置してある。鎌倉とかでたまに見るパターン。
ずらりと参拝者が行列していたので、写真を撮れなかった。

岡寺の隣にある治田神社。
小さいけれどなかなか趣のあるいい神社。
由来ははっきりしていないが、平安時代にはすでに神社として知られていたらしいので、かなり古い神社なんだと思う。
そして寄り道2ヶ所目。

亀形石造物。流れている水は実際にこの場から出ている湧水らしい。
昔テレビで見た時にはもっときれいだった印象なのだが、こうやって見るとかなり劣化している。
保存を二の次にしてこうやって展示している以上は避けられないのかな。

なお近くには酒造石もあるようだが、そっちはパスした。
だって階段を上がるんだもん。

ここの仏様は撮影OK。
ガイドのおじさんの説明によれば、度重なる火災で焼かれながらも、建造時から1500年間変わらず同じ場所に鎮座し続けている恐らく日本で唯一の仏様とのこと。
確かに、顔や胴体のあちこちに焼けたり剥がれたりした跡がある。
激動の歴史を、破壊されることも移動される事もなくくぐり抜けてきた猛者なのだな。

飛鳥寺の数十メートルとなりにある蘇我馬子の首塚。
暗殺された馬子が祟るので作られたという伝承があるが、本当かどうかは分からない。
これで本日の予定は終了。予想外に大量に回ってしまった。しかも思ったほど消耗していない。
ビバ電動自転車。
そういうことなら実はもう1ヶ所、行きたいところがある。
駅のポスターや飛鳥の資料館のチラシで気になっていたのだ。
宗像三姉妹に由来する沖ノ島の遺跡からの出土物を、奈良の古墳等からの出土物と比較し、大和と沖ノ島の関連について考察するという企画展。
多分こんな展示、絶対関東の方じゃやらないでしょ。
幸い、開催している橿原考古学研究所付属博物館は、自転車を乗り捨てる橿原神宮駅のひとつ隣、畝傍御陵前駅から歩いて行ける。
時間もまだあるし、体力もなんとかなりそうだし行ってみよう。

水を流して占いをする儀式の設備らしい。
……なんか酒造石で似たような構造見たぞ?

これも沖ノ島から出土した三彩。
唐三彩ではなく、日本で作られたオリジナルらしい。
すごく素敵、すごく欲しい。

馬の飾り。
馬なんて全く縁がない沖ノ島になぜ馬具が捧げられたのか疑問。
上の水占いの道具も含めて誰かに聞きたかったんだけど、聞けるような人がいなかった。
どこかで調べれば出てくるかな。

ついでに常設展示も見てきた。これは土偶の見返り鹿。
さすが奈良だけあって出土品の層の厚さが尋常ではない。
あと、やっぱり関東の方とは出土品が少し違っていて、背景が良く理解できないのがあったりして目から鱗だった。
これはいい物を見た。思わず図録まで買ってしまった。
奈良に来ている。
飛鳥の石舞台古墳が見たくなったのだ。
幸い、2月から続いていた乳がんの治療も、放射線治療まで完了して余裕ができたので、じゃあ一人快気祝いに行こうかなとなった次第。
前にも1度来ているのだが、丁度5/7まで長谷寺は牡丹祭りをやっているらしい。
長谷寺は別名「花の御寺」と言われるほど、季節の花々が有名なのだという。つまりこの牡丹祭りも見事なのではないか。
よし行こう。
前の時は途中で與喜天満神社に寄って階段を100段以上上ってしまったために、へろへろになりながらようやく参拝したのだが、今回は與喜天満神社はあきらめて長谷寺に直行した。
なので体力は満々。

でも牡丹ほぼ終わってた。
階段に添ってびっしり植わっているので、盛りの時は相当見応えがあったと思われる。

牡丹は終わっているけれど、それ以外の花はあちこちで咲いている。
さすが「花の御寺」だけのことはあるな。

天気はいいし風は爽やかだし、いい気持ち。
ただ日差しがめちゃくちゃ強くて、日なたにいると暑くてたまらない。
丁度本尊の10メートルを越える観音様を間近で見れる特別拝観をやっていたので拝んできた。
さて、次は室生寺に足を伸ばしてみることにしよう。
前回は交通事情が微妙だったので行かなかったが、今回はゴールデンウィーク限定で、長谷寺と室生寺の間を直通バスが運行している。
本数は30分に1本だし、最終は14時台だし、山また山を越えていくので45分ほどかかるが、バスに乗ったら後は勝手に連れて行ってもらえるのはありがたい。

途中下車して室生龍穴神社にも寄ってみた。
バスも通るような道路のすぐ近くなのに、うっそうとした杉の森の中にあるためか人里離れた感が半端ない。

本殿。
その名の通り竜神を祀る神社で、奥の院は龍穴と言われる岩窟。
ただし車でないと往復1時間弱かかるので、今回はあきらめた。

龍穴神社から歩いて10分ほどで室生寺に到着。
ここはシャクナゲ寺のようで、あちこちにシャクナゲの木がある。

でもやっぱりほぼ終わっていた。
まあ今年は春の気温が高かったし、しょうがないね。

確か弥勒堂。
ここも長谷寺と同じように、山の斜面を使って伽藍が作られている。
なのでお参りするにはせっせと階段を上っていく必要がある。

……そんな高度差があると思わないんだけど、上の方に来るとまだ結構シャクナゲが残っていた。
日当たりとかが関係するのかな?

奥の院への階段。
実は400段以上あるのだが、そのへんの事前知識を全く持たないまま気軽に上り始めてしまった。
しかもこの階段、途中で割と折れ曲がっているので、下からだとどのぐらい続いているのかが分からないのだ。
結果、ふと上を見て絶望する事になる。

なんか奈良に来るたびそんなつもりはなかった階段を上っているような気がする。

着いたどー!
こちらは空海(室生寺は真言宗)の像を祀る御影堂。
一見新しく見えるが、作られたのは鎌倉時代。

こちらは位牌堂。多分歴代の住職の位牌が納めてあるんじゃないかな。
一見普通に見えるが、実は崖っぷちに建っているので……。
この後、また400段の階段を下りて例によって膝をやられたり、帰りのバスに乗り遅れそうになって走る羽目になったり、ひたすら体力を消耗し続けたのだった。

山は野生の藤が盛りらしく、あちこちで見かけた。
さわやかで柔らかい色合いなので目に楽しいのだけれど、藤って他の木を絞め殺す害木なんだってね。
確かに、藤が絡みついている木は枯れたり元気がなかったりする木が多かった気がする。
でもまだちょっと時間があったので、最後に天理にある石上神宮(いそのかみじんぐう)に寄っていくことにした。
それほど大きな神社ではないが、創建は物部氏にまで遡る日本でも最も古い神社のひとつ。
ただ、適当なバス便がなくて駅から歩いて30分ほどかかるため、今回も金で時間を買うことにしてタクシーを使った。
道中、運転手さんが宗教都市天理の施設なんかをいろいろ教えてくれて、なかなか面白かった。
どうも、近所の人が持ち込んだ捨てニワトリが増えたらしい。
勝手気ままにあたりをうろついているが、人慣れしていて近づいても全く逃げない。

シャモもいた。
気が荒いのか1羽だけ社務所の敷地に隔離されていたが、カメラを向けたら堂々たる足取りで近づいてきた。

「なんか若冲みたいですよね」とそのへんの見知らぬ人と盛り上がった立派なニワトリのつがい。
かわいがられているらしくて、どの鳥も毛艶はいいし丸々していて顔つきもおだやか。
でも良くケンカはしている。

ひとしきりニワトリとたわむれた後で、ようやく本来の目的を思い出して参拝に向かった。
神社にこういう門ってちょっと珍しいような気がする。

拝殿。
本殿はこの奥の禁足地の林にあるので、見ることはできない。

さてお参りも済ませたから、またニワトリを見るぞ。
小屋の中にもみっしりいる。
しかも小屋は合計3つある。
……一体何羽いるんだこれ。

手を出したら何かもらえると思ったのか、一斉に寄ってきてしまった。
ごめんよ、悪かったよ。
もういつまでもまみれていたかったのだが、タクシーを待たせているので後ろ髪を引かれる思いで現場を後にした。
やっぱりニワトリ飼いたいなあ……烏骨鶏とか。
松本駐屯地73周年記念行事。
会場に入ったのが開始直前だったので、すぐに入場行進が始まってしまった。
松本駐屯地は長野県唯一の駐屯地で、普通科連隊と教育隊、アルプスを擁するその土地柄から山岳レンジャー部隊を持っている。
レンジャーというのは実は強行偵察などを行う特殊部隊の総称で、さらに主な活動内容によっていくつかの種類に分かれている。
例えば、良く知られた習志野のレンジャーは空挺レンジャーという、空挺降下の技術を持っているレンジャー部隊になる。
そしてその他にもレンジャーには、山岳地帯の登山スキルが高い松本の山岳レンジャー部隊、真冬の積雪地帯で行動する事に特化した真駒内の冬季レンジャー部隊がある。

ここでチヌークが飛び立っていく。
今日の彼には、唯一の航空部隊として観閲式に臨んだり、模擬戦闘で隊員をロープ降下させたり、その後は地上で展示物になったり、いろいろ役目があって忙しい。

観閲官である基地司令の巡閲。
統一地方選投票日だったせいか、現役大臣を始め国会議員が何人も来賓で来ていた。そのため警備の隊員に混じってスーツのSPが何人も目を光らせている。
いつぞやのように、何かあったら一般国民に被害を押しつけてでも議員を守るんだろうなあ。
巡閲が終わると司令の訓示。その後は議員や議員や大臣やその他偉そうな人達の祝辞とか、祝電披露とか来賓紹介とか、諸々スマホいじって時間つぶしをする案件が続いて、ようやく観閲行進が始まった。




このあたりは相馬原駐屯地の12旅団からのゲスト参加。
なお、沖縄で亡くなった8旅団長の前の任地がこの12旅団だった。
同じ東部方面隊なので、多分、何かの行事で会ってたことあると思うんだよね……。

最後に徒歩で山岳レンジャー部隊と教育隊が行進する。
歴戦の強者の貫禄のレンジャーと、緊張しながら一生懸命な教育隊の子達の対比が微笑ましかった。
これで行進は終わり。
音楽隊の演奏と自衛太鼓の休憩を挟んで、模擬戦が始まる。

自衛太鼓は松本駐屯地に加えて滝ヶ原駐屯地、入間の空自がゲストでやってきた。
写真は入間。どちらかといえば太鼓と言うよりお囃子のパフォーマンスでとっても華やか。空自はほんとこういうの得意だな。
太鼓ではなく笛がメインになっている時点で、太鼓のみで演じる本来の自衛太鼓とは完全に違った物になっちゃってるんだろうけれど、これはこれで楽しいのでいいんじゃないかなとも思う。

バイクを盾にして戦闘。
でもガソリンに引火したら危ないんじゃないかな……。

ここから部隊を展開して模擬戦。
なおすでに撮影より見る方に熱心になっちゃったので、ろくな写真を撮っていない事をあらかじめお断りしておきます。

今日ふたつめのチヌークのお仕事。隊員降下。
最初に女性隊員を4名降下させているんだけれど、そのせいか降下の高度が低いし、いやに安全確保とかの手順が長かった。
そこまで無理させないでもいいんじゃないかな……。

火砲もや迫撃砲や擲弾筒。
なお、16式とFHは実際に撃っているのだが、ことごとく撮り損ねた。
思えば砲撃を生で体感するのは何年ぶりだろう。ほんとこういうのができるようになって良かった。
行事が終わると、今度は駐屯地の敷地内で装備品展示やパフォーマンスが始まる。
じっくり見たいんだけど、今回は団体での招待で来ているので、帰りのバスの時間もあってあまり見ることができない。
うーん……。

とりあえず、音楽隊の演奏と自衛太鼓を見ることにした。
さっきは遠く離れた観客席からだったけど、今度はほんとに間近。
ここまで近いと、太鼓なんか全身に響いてきてすごい迫力。

その後はレンジャーの壁パフォーマンス。
レンジャーがいろいろな降り方をしながら壁を降りてくるだけなのだが、それがいちいち尋常ではない。
これも一見普通に見えるが、降りてくるスピードが異常に速い。あっという間に地上にいる。

下の部屋にテロリストがいるので、制圧するという設定。
途中まで普通に降りてきて、くるっと下向きになって銃を構えている。
この後、突入部隊がさーっと降りてきて窓(のビニール)をぶち破って突入していった。
いやー、やっぱりレンジャーってすごいわ……。

後はぶらぶらと装備品展示を見て回る。
このパワーショベル、キャタピラと運転席の間に油圧装置が入っていて、傾斜地でも運転席とショベル部分を水平に保って作業できるんだって。
でもうっかり自分が傾斜地にいるのを忘れがちになるのがちょっと危ないって隊員の人が言ってた。

最後のお役目、展示になっているチヌーク。
今日は大活躍だったね。

子供だましのなんちゃってかと思ったらさにあらず。
ロープ渡りとか機材の取り扱いとか隊員がつきっきりで指導とサポートをしながら、結構本格的にやらせてくれる。
もちろん大きいお友達も参加OK。やりたい……すごくやりたい……でも今日はよそいきスカートとジャケットなのだ……。
ここで時間切れで帰らなくてはならなくなったが、面白かった。
久々の記念行事だからか、とにかく人が多くて売店のあたりとか芋洗いみたいになってたけど、やっぱりみんな来たかったんだろうな。
4/22、23と松本に行ってきたので、後追いでアップします。
突然だが松本に来ている。
4/23に松本駐屯地の創立73周年記念行事に行くことになったので、それならついでにあちこち観光もしようと22日の朝早くから出てきた次第。

麦畑と北アルプス。
天気はほぼ快晴だし、気温は低いし風も強いのに、なぜかあたりは霞んでいる。
これが来ると噂の黄砂だろうか。

立山連峰の方はもっと真っ白。
黒部ダムから見たらいい眺めだっただろうなあ……。
まずは、仁科神明宮という、国宝の本殿を持つ神社を見るために、特急あずさに乗って信濃本町に向かう。
本当はここから黒部ダムに行きたかったのだが、予約開始から1日過ぎたらもうバスが満席で取れなかったのだ。
まあ、黒部ダムは今がハイシーズンらしいから、仕方ないね。
とか考えて次点の仁科神明宮に目的地を変更したのだが、信濃本町から唯一の交通機関であるコミュニティバスに乗ろうとしたら、平成2年で土日の運行を廃止していた。
なんてこったい。
一応、安曇沓掛という駅からなら、30分ほど歩けば行けない事もないのだが、電車が1時間に1本の場所で歩いて片道30分はちょっとチャレンジがすぎる。
しょうがないのでちょっと街を散歩してお昼ご飯を食べた後、さらに次の候補にしていた穂高神社に行くことにした。
さすがに今度は大丈夫だよな……。

さすがにソメイヨシノは終わっているが、長野は今が花の盛り。
あちこちでこんな感じに咲いている。
穂高神社はその名の通り、穂高岳を神格化した穂高見尊を主祭神として祀った神社。
奥穂高岳の頂上にこの神社の嶺宮があり、行った人がもらえる御朱印もあるのだが、何しろ標高3,190メートルな上に高難易度山なので、入手は容易ではない。
(なお、神社の遙拝所をお参りすれば『遙拝』という注釈印つきでもらえることはもらえる)

拝殿。
かなり新しく見えるのは、ここが伊勢系で20年ごとに式年遷宮の立て替えをしているかららしい。

奉納された神船。
ここには穂高見尊の他に、海神であるその名も綿津見命も祀っているためと解説に書いてあった。
こんな海から離れた場所でなぜ海神を祀っているのか、不思議。
延喜式にも名前があるほど古い神社だそうだが、地元密着型で、観光客に混じってお宮参りの家族連れや散歩コースとおぼしき地元の人もちらほら見られた。
なお、嶺宮は北穂高の頂上だが、奥宮は上高地の明神池にある。こっちならなんとかなりそうなので今度検討してみよう。
そんなわけで満足したので松本に向かう。
一旦ホテルにチェックインしてから、松本観光をしようかな。
松本でも行きたい神社があるし。

そんなわけでやってきた松本駅から少しの深志神社。
諏訪神社と天神様を祀る地元の氏神様系神社。

拝殿は色鮮やかできれい。
地元に長年大切にされてきたであろう感じ。

9年前に拝殿と一緒に改修されたという本殿もなかなかのセンス。
しかも結構規模が大きい。
敷地そのものはそれほど広くないが、本殿と拝殿がきれいで見応えがあった。
次は松本城でも行ってみるか。

と思ったら、歩いているうちに別の神社に迷い込んでしまった。
後で調べたら、明治初期にできた天之御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神、天照大神の4神を祀る神社らしい。
子供たちが鳩に餌付けをして、腕や肩に飛び乗らせて喜んでいたが、鳩は飛ぶドブネズミといわれるほど不潔で人畜感染症のリスクが高いんだぞ……。

そんなこんなでやっと松本城に着いた。
夕方になってしまったのでもう天守の中へは入れないが、ちょっとまわりを散歩していこう。

なぜか1羽だけ白鳥がいた。
よく見ると左脚だけで水を掻いていたので、けがか障害かで旅立てなかったのかもしれない。
仁科神明宮の予定が狂ったけれど、でもいろいろ見れて楽しかった。