好物のピーナッツをもらってご機嫌で囓ったり眺めたりしている長門と、その隣で段々虚無になっていくフェデフルール。
分かりやすいね二人とも。
母親と妹と旧古河庭園に行ってきた。
最初は六義園に行く予定だったのだが、急遽母親の気が変わったのはここだけの話。
旧古河庭園は、元々古河財閥の持ち物だったのが、戦後困窮した古河家の税の物納で国有財産になり、その後庭園として一般公開されたもの。
明治の建築史には大抵名前が出てくるジョサイア・コンドルが設計した洋館と、洋風のバラ園、和風庭園を併設する。
丁度今の時期は、秋のバラと紅葉のイベントが行われている。

入口とか撮り忘れたのでいきなりバラ園から。
みんな太陽の方向を向いてた。


春のバラみたいに成長期ではないので、勢いよく無数に咲いている感じではないけれど、つぼみを間引く事でひとつひとつの花を大きくする工夫をしているのが伺える。

で、洋風庭園からさらに一段下がったところに、今度は池つきの広い和風庭園がある。
紅葉がいい感じ。

この巨大な石灯籠を何に使うのか、妹が不思議がっていた。
多分ちょっと幽玄チックな池の夜景を楽しむんじゃないかな。
六義園にも行った事がある妹によれば、こっちの方が良かったらしい。
確かに東京とは思えない閑静でいい庭だった。しかもこれで入場料は大人150円(ただし洋館は見学料別途400円)なのだからすごい。
上野の森美術館の「兵馬俑と古代中国」展に行ってきた。
始まって2日目だし、天気は悪いしでそんなに人もいないだろうと思っていたら、えらい混んでいた。
並ばず入場できるけど、中には人がみっしり居て(会場が狭いのもあるけれど)展示品は人の頭越しに見ないとならないレベル。
これはテレビとかで特集やったらもっと混むな。早く来て良かった。
展示は2部構成で、1部は始皇帝陵以外の兵馬俑やその他の古代中国の出土品。こちらは撮影禁止。
テーマ的にほぼ副葬品ばかりだし、どうしても青銅器や土器が中心で、古代エジプトやメソポタミアみたいなきらびやかさには欠けるけれど、どれも家にひとつは欲しいセンスの良さがあって面白かった。
ただ、原材料名が「石」とか「玉」とか割とおおざっぱなのがちょっと気になった。何の石か、軟玉か硬玉かも知りたいのよね、こういうのは。
で、2部が噂の始皇帝陵の兵馬俑。こっちは写真撮影可。

展示室に入るといきなり待ち構えているのが、この巨大な馬車。
皇帝専用車らしい。馬の首の向きとか微妙に変えて作られているのがすごい。

なんかキングダムとコラボしてたけど、不倫にうつつを抜かしてレベル下げた漫画家という印象しかないなー。

そしてここから兵馬俑。これは石弩の射手。
一番ポーズがかっこいいので真っ先に見える所に飾られていた。

馬の世話係。
なんかルーブルの書記座像に通じるプロっぽさがある。
大好きなんだよねあの像。

拳法やってるみたいなポーズだが、弓の射手。
左手に弓、右手に矢を持ってつがえようとしている所だそうな。

鎧を着た軍属の文官らしい。
なので髷姿の兵士と違って冠をかぶっている。

騎馬の槍兵。本来この後ろに馬がいて、右手で槍を持ちながら手綱を引いて立っている図らしい。
馬に乗る時邪魔にならないように鎧の裾が短い。なるほど。

兵馬俑は全員髷を結っているんだけれど、これが人それぞれで面白い。
すごい複雑な編み込みやってる……。

実は横から見ると結構頭でっかちで、良くこれで自立してるなと思うバランスだった。
あと、等身大というのは嘘。実際には一般的な人間より明らかに大きい。でも馬とかは等身大なんだよね。

元々はこんな風に彩色されていたのだけれど、発掘の時にほとんど失われてしまったらしい。
現地ではこれが8,000体もいるんだとか。どれだけスケールが大きいんだろう。
1体1体、実在した人に似せてわざわざ作り上げたそうな。当時は人形を人に似せると魂を持っていかれるという迷信があり、これは事実上の殉葬という見方もあったそう。
とはいえ、8,000人を殉死させるよりは人形を埋めた方がまだ穏便ではあるよね。
そこまでやる価値観が分からないけれど、おかげで当時のリアルな情報が現代にまで残ったのだから、歴史は面白いと思う。
最近、アッサムは運搬用プラケースに入れると、必ず脱出を試み始める。

最初は何か言いたそうにこちらの様子を伺っているが……。
なお瞳が白くなっているのはプラケースの汚れで、濁りそのものはずいぶん回復している。
でもやっぱり今もよく見えないらしいけれども。


どうやら希望が叶いそうにないと分かると脱出開始。
足がかりになりそうな部分を探してうろうろするアッサム。


足がかりを見つけると、そこから懸命に上へと行こうとする……が蓋に遮られてむなしくじたばたしている。
病院でもひたすらこれをやっているので、先生には面白がられている。
アグレッシブなのはいいことだが、このアグレッシブさが毛引きにもつながっちゃっているらしいのがなあ。
お台場の東京国際クルーズターミナルでの『くまの』と『もがみ』の一般公開に行ってきた。
以前は晴海でやっていたものが、客船ターミナルの閉館に伴ってこちらに移った模様。
どっちにしろ、行きづらい場所であることは変わりないんだけれど。

観艦式は終わったし、便利な場所でもないからそれほど人も来ないだろうと思って開始1時間前に来たのだが、甘かった。
11月にもなってどうかと迷ったのだが、念のために日傘を持ってきて良かった。

1時間半ほど並んで、検温と消毒と手荷物検査を経てようやく艦の近くへ。
手荷物検査、いつもはリュックのメイン荷物入れだけで済むのに、今回はポケットまで見られたのがいつもより厳しかった。
見せるのが新型の最新鋭艦だからかな。
実は今回、荷物検査が終わった後で乗艦券を1枚渡されて、それで『くまの』か『もがみ』かのどちらかを選んで乗る方式だった。
つまり、2隻来ているが両方には乗れない。
まあ、同型艦の姉妹艦なので、どっちも同じでしょと言われれば確かにそうなのだが……違うんだよ、同型でも両方乗りたいのが人の心なんだよ! 分かって!

しょうがないので近くにいた『くまの』を選んで並んだ。
くまのぬいぐるみを先端につけた指示棒で説明をする乗員。
くまの耳としっぽをつけた艦内帽をかぶっていた乗員もいたし、手芸の好きな人が乗ってるのかも。

後ろに見えるのは『もがみ』。
なお、この『くまの』と『もがみ』は、艦種的にはD=駆逐艦ではなく、F=フリゲート、つまりこれまでの護衛艦より小型の多用途艦として分類されている。
1艦で普通のヘリコプター搭載型護衛艦と、掃海、機雷敷設艦との両方の役目をできるし、でも船体はコンパクトで低予算という代物らしい。
……なんか、ひとつの艦にあれもこれもと性能を詰め込んで、結果いろいろと問題のある艦を出してしまう旧日本海軍からの悪癖がちらつく気がするのは、気のせい?

新機軸の最新鋭艦だからか、写真撮影ができるのは、前甲板と後甲板の一部のみで、艦内は全面撮影禁止だった。
でも、通路の至る所に、ちょっと気が早すぎるクリスマスの飾り付けがちりばめられているし、乗員の皆さんは頑張っていろいろ説明してくれるしで、歓迎に一生懸命な気持ちが出ていて楽しい。

クリスマス飾りと満艦飾と記念撮影用の板。いろいろ情報量が多い。
しかし艦橋の位置低いな……。


まわりの風景も楽しい。
左右の岸壁にずらりと並んでいるクレーン。
この少し前まで近くにコンテナタンカーが浮かんでいたんだけれど、気付かないうちに出港してしまったらしい。残念。

そして延々と続いている行列。
本来は15時半まで見学可能なはずだったのだが、あまりに行列が長くなりすぎて、13時過ぎには見学受け付けは終了してしまっていた。

ヘリコプター格納庫。
艦の幅に対して格納庫がすごく大きいのが分かる。
ところで、機雷は艦艇の金属に反応するので、掃海艇は木やFRPでできている。
だけれどこの『くまの』と『もがみ』は普通の艦と同じ鋼鉄製。それで一体どうやって掃海するのか不思議に思って聞いてみた。
結果、自身は機雷の海域には入らず、無人潜水艇を行かせて機雷の状況を確認するそうな。
で、機雷が見つかったら改めて処分用の機材や処分員を使って処分する、ということになるとのこと。
うーん、確かにその方が合理的だしリスクは少ないけれど、でもその方法が可能なら、掃海艇がすでに採用していたはずだよね?

そんなこんなでいろいろ楽しんだり考えたりしつつ、見学終了。
こちらはすでに乗れない『もがみ』。

『もがみ』はここから乗せてくれるんだ。
『くまの』は普通に甲板だったな。いいなあ……。
でも『くまの』ではパンフレットをくれたので嬉しかったけど。


2艦見れるつもりで来ていたので、大幅に時間が余ってしまった。
なので埠頭エリアをうろうろしていると、バカでかいミニチュア艦(というのも変だけど)が2艦いるのを発見した。
あの有名なちびしまやこいずもとは別に、館山航空基地で作ったものらしい。

アルミ製でとっても頑丈。煙突からはちゃんと煙が出ているし、錨や砲塔も自動で動く。
ゴルゴなんかも乗っている。


そして人も乗れる。
この2艦、実は中に自転車や一輪車を改造した人力駆動装置が入っていて、走れるのだ。
出港準備を始める隊員の姿に周囲が盛り上がってくる。
出航!
いしかわは手を振って、かわたきは軍艦マーチを流しながら走っていく。
なんかすごい。
大回頭だって見せてくれる。
なおこの艦たち、アルミ製で大変重くて、以前普通の自転車を駆動用にしようとしたらパンクしたらしい。
それを動かしている中の人の労働がいかほどの物か察して余りある。
楽しかった!
さて、最後にターミナルに上がって上から艦を写して帰ろうか。


うーん、やっぱりかっこ悪い……。
でも、イージスも出てきた当初はものすごい違和感だったけど、今は普通に見てるしな。
見慣れれば何も感じなくなるのかも。

そして、ターミナルの反対側には、『くまの』と『もがみ』の大先輩、『宗谷』がひっそりと浮かんでいる。
世間では初代南極観測船として知られているけれど、実は旧海軍の特務艦として、鈍足と貧弱な武装をものともせずに開戦からミッドウェーを経て終戦までを太平洋各所で戦い抜いた、ある意味『雪風』以上の歴戦の猛者、強運艦でもあったのだ。
『三笠』と違って『宗谷』はまだ船としての登録がされているので、現役として唯一残る旧日本海軍の艦になる。

ブリッジを中から。
形は変わっているけれど、基本的な構造は今も昔も変わらないのね。

後甲板から『くまの』が見える。
あれが最近の若い子ですよ、おじいちゃん。
うん、こっちも面白かった。
やっぱり船内はのんびりと回るのが楽しいね。
うっかり寝てしまったため、後追いでアップします。
母親を横須賀軍港めぐりに連れていってきた。
うちの母親は変なタイミングで物事に興味を示す人で、それまで無関心だった観艦式に突然行きたいと騒ぎ出した。
今年は無観客だという事でどうにか納得させたのだが、まあ艦艇が横須賀に集まっている姿ぐらいは見せてやろうと予約した次第。
4日は本番2日前で平日だから、もしかすると予行で岸壁は空っぽかもしれないと危惧していたが、むしろ外国艦艇ばかりが泊まっているというめったにないレアな状況となってラッキーだった。
……まあ、母親は全く分かってないんだけれど。

りゅう型にしお型がサンドイッチされてる。


米軍。
北朝鮮が暴れているので、まだ空母は帰ってきていない。
なお、この辺までの艦艇写真の色がおかしいのは、撮影の時に露出を間違えてしまったため。

外国艦艇に場所を譲って沖泊めしている皆さん。
これだけ遠いと陸との行き来も大変そうだな。もちろん各艦艇を結んで定期便が出ているんだろうけれど。

沖に出て東島を回り込んで、船越に入る。
あれだけ気温が高い日が続いたのに、結構紅葉進んでるな。
昼夜の寒暖差が大きいからかな。

船越の外国艦艇が見えてきた。
手前のがマレーシアのフリゲート『クランタン』、奥のがブルネイとインドネシア。

『クランタン』の正面顔。給油中なのでオイルフェンスが張られている。
この艦はドイツ製。

奥がインドネシアのコルベット『ディポネゴロ』。オランダ製。コルベットなんて艦種まだ存在してたんだ……。
手前はブルネイのフリゲート『ダルエーサン』。ドイツ製。
こうやって調べてみると、軍艦を自国で作って運用できているのは、ほんの一握りの国なんだな……。

こちらは小さいので港から追い出されずに済んでいる掃海艇たちの尻。

タグの奥の大きな艦は韓国の輸送艦『ソヤン』。
ん? ニュージーランドの『アオテアロア』も韓国製だったけど、ずいぶん形が違うなあ。

『ソヤン』。
よく見ると艦首の海軍旗が半旗になっている。例のハロウィンの事故の死亡者に弔意を表しているらしい。
そういえば、他の艦は乗員の皆さんが艦上で思い思いにくつろいだり作業したりしていて、軍港めぐりが通りかかると手を振ってくれてたんだけれど、『ソヤン』だけは甲板上にひとけもなくてひっそりしていた。
これだけの大艦が吉倉ではなく、人目につかない窮屈な船越に入って一般公開もしないでいるのは、そういった点への配慮があるのかもしれない。
まあ、他の事情もあるんだろうなとは推察できたりするけれど。

そして『ソヤン』の後ろにはオーストラリアのコリンズ級潜水艦。
うわー、日本とアメリカ以外の潜水艦って初めて見た。初めて見たけど……なんというか……これが現役で使っている潜水艦なんだ……?
日本の通常型潜水艦が優秀過ぎるだけという説もあるんだけれど。

独特の艦尾と、寝そべってスマホやってた乗員のお兄さん。
ひなたぼっこに良さそう。

『ソヤン』と潜水艦の尻。
後ろ姿の存在感が圧倒的だな『ソヤン』。

昨日見た艦列を反対側から。
一番手前がシンガポールの『フォーミダブル』。

尻に全く統一性のないパキスタンの『シャムシール』と『ナスル』。

煙突にはそれぞれの国を象徴する生物が描かれていた。
キーウィかわいい。
横須賀が海外の艦艇で埋め尽くされるとか、多分もうあと10年ぐらいはない風景だと思う。4日にしたのは偶然だったけど、いろいろ間近に見れて楽しかった。
特にオーストラリアの潜水艦なんて、多分もう一生生では見れないと思う。
で、今日はこの後にもイベントが控えている。
夜に観艦式記念の軍楽隊コンサートが、やっぱり横須賀の芸術劇場で行われるのだ。
乗ったのが13時の便だったので、まだ数時間ある。どうしたらいいか迷った挙げ句、無意味に横浜で昼ご飯と夕ご飯の中間みたいなのを食べて戻って来てしまったが、後から考えたら鎌倉殿ゆかりの曹源寺あたりに行ってみたら良かったかも。
バスでちょいと往復できる距離だったし。


プログラム。
国際観艦式記念なので、日本以外にアメリカ、インド、パキスタンも名を連ねている。
同盟国の在日米海軍がトップ、ホスト国の日本が最後なのは当然として、建国以来度々国際紛争起こすほど仲の悪いインドとパキスタンが、良く連続しての演奏を承知したなと思ったら、そこはいろいろ配慮したらしくて間に20分間の休憩を挟んでいた。
まあ気を遣うよね。
アメリカは例によってポピュラーソング一辺倒。山口百恵の「横須賀ストーリー」を日本語で熱唱して大受けしていた。
インドは民族調で攻めてくるかと思ったら、最初の1曲のみで、後はセオリー通りの吹奏楽曲でまとめていた。「Yashasvee 75 Years of Grory インド独立75周年記念曲」がかっこ良かったので後でYoutubeで探したのだが、なかった。一般には出ない特別な曲なのかな?
そして今回すごかったのがパキスタン。
曲の選定からしてもうインドに張り合う気満々なのだが、なんでも日本で公式に軍楽隊が演奏するのは今回が初めてということで、めちゃくちゃ気合いが入っていた。
他の国がほぼ平服に近い制服で演奏する中、全員が最上級の真っ白な礼装に身を包み、国旗を掲げて登場、しかも人数も地元日本を除いて3カ国中最多。
その華やかさに、入場した瞬間会場からどよめきが沸いたほど。
演奏曲も民族曲一辺倒だったが、リズムや音量、編成に巧みに変化をつけ、演奏も上手だから飽きない。
これはすごいものを聞いてしまったわ。
この後の日本の音楽隊の最初の曲が、なんでも艦これの音楽を作った人が、海自70周年を記念して作曲したものだそうだけど、なにしろ前のパキスタンがすごすぎたので、どこかで聞いたような構成の単調でつまらない曲にしかなってなかったのがちょっと気の毒だった。
あと「鎌倉殿の13人」はいやに上品な編曲だったな。もうちょっと原曲に近い方が好み。
ところで、パキスタンの最後の「Chandni Raatein 煌めく夜」が、日本の「小さい秋」に良く似ていたんだけれど、Youtobeで同名の曲を探して聞いたら全然小さい秋じゃなかった。日本向けに編曲を工夫したのかな?
そういう解説もあれば良かったのに。
こっちもすごく楽しかった。
音楽まつりには落選したけど、これでもう満足したからいいや。