しっぽ(仮)にしっぽがはえてきた。
でもやっぱりあるのとないのとでは印象がだいぶ違う。
マメルリハのしっぽなんて存在意義あるのかと思ってたけど、ちゃんと存在意義あったんだな。
サーラルがまたしても足指を食いちぎられた……。
今度はカラに。
昨夜、またしっぽ(仮)のカゴに乗って威張り散らしていたのだが、突然飛び立つとカラのカゴの上に行った。
すると、どうやら虫の居所が悪かったらしいカラが殺る気満々で天井に上っていったので、まあ噛まれる前に避けるだろうと(他のマメどもはそうする)思っていたら、避けずにまともに足に噛みつかれた。
慌てて助けに行って足の様子を見た所、右足の、以前チャンドラに食いちぎられて短くなった部分を再度やられていて、ほとんど指の根元からちぎれかけかなり出血している。しばらく様子を見ていたが血が止まる様子がないので、チャンドラに噛まれた時にもお世話になった救急病院に駆け込んだ。
止血の応急処置だけしてもらって、かかりつけの病院が開いたらそっちで本格的な治療をしてもらうつもりでいたのだが、出血が多いので、一晩様子を見るために入院を勧められた。断って連れ帰る事もできたのだが、何かあった時に後悔しないでいられる自信もなかったので、とりあえず翌日昼まで入院させた(5万円)。

救急病院からカラーをつけられて帰ってきた。
右半身血だらけのまま。そこは病院できれいにしてくれないんだ……。

その後、かかりつけの病院に行ったら「カラーをつけても足はくちばしが届くんですよね」とあっさり外された。
かわりに傷口をいじらないよう、足をテーピングでぐるぐる巻きにされた。
そしてお腹もきれいにしてもらった。
今のところ、テーピングのせいで動きにくいのと、やっぱり傷が痛むらしいのとで少し大人しい。
でも、気付いたらケガをした方の足で頭を掻いていたりするので、実はたいしたことないのかもしれない。

「こんにちは、マメルリハ、ターコイズパステルライラックパイドの男子、しっぽ(仮)です」

「ターコイズとは、青系のマメの額や翼など、一部分に黄色や緑色が出たものです。
良く分かんないけど、本来青系マメでは抜けるはずの黄色の遺伝子が不完全に残った突然変異じゃないかな」

「ターコイズは人気がある色なんだけど、僕は12月に生まれて今日までずっと売れ残ってたんだ。
原因は多分このしっぽ。何かあって抜けちゃったのか奇形なのか分からないけどなくなっちゃっててかっこ悪いんだよね。だから仮名もしっぽにされちゃった」
もう鳥は買わないつもりだったのだが、ショップのサイトで写真を見てつい購入してしまった。色名が長い。
ショップでは、店員さんがカゴに手を入れるとおびえて逃げ回るので、大丈夫かコイツと思ったのだが、家に来たら他のマメどもの姿を見て安心したのか、普通に寄ってくるようになった。
なお、カゴはサムドラのために買ったもの。結局使わずしまっておいたのを、改めてデビューさせた。
しっぽは、ヒナの時の写真を見るとちゃんとあるので、事故か何かで抜けた可能性もあるとは思っているのだが……まあ繁殖するわけじゃないからしっぽのひとつやふたつなくても構わないんだけど、病気だと困るから病院では診てもらおう。
カメラを向けると金網に貼り付いてくるので、同じ写真しか撮れないティカル。
コミュニケーションする相手が人間だけだからか、ティカルは結構多彩な人まねをする。
このあたり、成長期を同じコミドリと過ごして、鳥の鳴き声を基本的な言語として学習したセノーテとは違っている。
その中でも、お気に入りっぽくて良く口にする定番の言葉はいくつかある。その中の一つが「アレクサ」。人間様がECHO Dotに命じるのを聞いていて覚えてしまったものだが、発音しやすいらしくて何かというと「アレクサ」と言う。
そして恐ろしい事に、ECHO Dotの側も、自分の名前と認識した単語の聞き取り機能を学習、最適化させているらしく、いつしかティカルが「アレクサ」と言うと青く反応し、ついには何やら返答し出すようになった。
なので最近はECHO Dotを使わないようにしている。これ以上双方が学習を重ねて会話が成立するようになると大変なので。
それからもう一つ良く口にするのが「ぽぽちゃん!」という呼びかけ。
ただ、我が家にはぽぽちゃんなどという名前の存在はいない。多分、何か別の言葉を誤って覚えて、そのまま定着してしまったのだろうが、いつもものすごく確信に満ちて「ぽぽちゃん!」と呼びかけてくるので、つい返事をしないといけない気になってしまう。
映画「教皇選挙」を見てきた。
もともとそれほど注目されていなかったんだけど、まさかのリアル教皇死去で一躍話題になった映画。本来の公開が3月半ばで、この時期はもう終わっている上映館も多く、やっていても上映回数の設定が少なくなっている。そのせいかこの映画だけ満員だった。
しかもパンフは品切れ中で、入荷がいつになるか分からないとのこと。
「教皇選挙」の原題は「CONCLAVE」。そのまま「コンクラーベ」でも日本では通用するところをあえて「教皇選挙」としたことで、コンクラーベが宗教行事などではなく、まさしく駆け引き、欺き、蹴落としなんでもありの「選挙戦」である事がうまく表現されていると思う。
内容はぶっちゃけると、カトリックの偉いおっさん達が、教皇の座を巡ってすったもんだやってるだけなのだが、コンクラーベを仕切る重責にピリつく首席枢機卿のローレンスがかもしだす固い雰囲気がそのまま画面を伝わってくるので、一体どうなることかとハラハラする。
派手なアクションはほとんどなく(1回爆破テロが発生するぐらい)、ほぼ全編おっさんたちが歩いたり座ったり、話し合ったりしているだけなのだが、それでいて状況がめまぐるしく変わっていく。嫌々派閥から押し上げられた人が、根回しがうまくいかず得票が伸びないと途端に得票できないのはお前が悪いと噛みついてきたり、有力候補が過去の過ちを引っ張り出されて失速したり、それを仕掛けた側が証拠を掴まれて自滅したり、死んだ先の教皇が残した思惑の謎も絡んで、一体次は誰が何をしでかすのかと目が離せない。
そして、最後に誰もがその清廉さと誠実さを認めて教皇に選出したのが、実はカトリックの聖職者として最も不適格な人物だった(信仰に忠実であるが故に不適格となる道を選択していた)といううっちゃり食らった感半端ないラストは、若干尻切れトンボな感じはするものの、確かに、この先までやっちゃうと、見る側に残る印象が制作側が意図するものと違ってきちゃうというのはあるんだろうな、というのはあった。
そういえば昔に見た「ローマ法王の休日」も最後はぶつ切りみたいな終わり方してたな。あれは、あそこから先をあえてやっても意味はないというのがあったんだろうけれど。
とりあえずパンフどうしようかな……買うためだけに映画館行くのもめんどくさいな……。
最近、サーラルのくちばしが元に戻ってきた。

写真を撮りたいだけで遊んであげるわけじゃないから、そういそいそ出てこなくていいよ。
写真が荒いので分かりにくいが、真ん中あたりの表面がちょっと剥けてるっぽいあたりで、くちばしの質がはっきり変わっている。
以前はくちばし全体が先端に近い感じで、黄色っぽくガサガサした貝の化石みたいな質感だった。が、ここ数ヶ月、伸びてくる部分が他のマメどもと同じようなピンク色でつやつやしたくちばしになっている。
下のくちばしの変化はもっと顕著で、気付いたらほぼ正常に戻っていた。
ちょっと嬉しいので、遊ぶついでに何かとくちばしを触ってみては、サーラルに怒られている。
肝臓の障害そのものは生まれつきなので、一生薬は飲み続けなくてはならないだろうが、このままくちばしは良くなってほしい。
日常生活に支障がないとはいえ、やっぱりちょっと不憫だしね。