スコットランド美術とお社と

 東京都美術館の「スコットランド国立美術館 美の巨匠たち」展に行ってきた。


 この前で写真を撮れるお立ち台。
 バックの絵はチャーチという人の「アメリカ側から見たナイアガラの滝」という絵。
 ここでは縮小されているが、実物は2.5メートル四方ある超大作。しかもめちゃくちゃ精緻で写実的でどれだけ渾身つぎ込んだのというぐらいすごい。

 内容は、ボリュームも多いし、あまりなじみのないスコットランドの美術史を知るのにはいいかと思うが、「巨匠たち」はちょっと違うかなと思った。
 ぶっちゃけると、今回売り物にしているエル・グレコやレンブラント、ヴァン・ダイクといった誰でも知ってる画家の絵は、特設サイトとかで紹介されているものが全てで、後はほぼスコットランドの画家。当然良く知らない。
 あと、小さな紙にデッサンしましたみたいな小品がかなりの割合を占める。
 なので、いわゆるおなじみの画家の絵を見るつもりで行くと肩すかしをくらうと思う。

 そんなわけで、予定より早く見終わってしまったので、湯島天神でも行こうと思い立った。
 調べたら不忍池を越えて歩いても20分ぐらいらしい。
 横着して地下鉄を使ったら、上りと下りを間違えて結局歩く以上にかかったので、不忍池をぶらぶらしながら来れば良かったと後悔した。


 来た。

 もっと大きな神社かと思ったら、以外と下町の天神様っぽい感じで良かった。


 境内に小さな庭園があって、梅がいっぱい植わっている。
 梅の季節は良さそう。

 そして、ここまで来たら、やっぱり歩いて15分ぐらいの神田明神まで足をのばしてみようと思い立った。
 歩いて気付いたんだけど、湯島天神も神田明神も、それぞれ別の尾根というか、多分昔の丘陵部の突端というか、そういう所に建っていて、片方からもう一方に行くのには、一旦坂を下がってまた上ることになる。
 なんとなく、今の名前のある神様が来る前にこの2ヶ所に祀られていた「何か」には、共通の由来がありそうな気もちょっとする。


 来た。

 ひなびた湯島天神に比べるとめちゃくちゃ都会。
 境内にお土産とカフェを備えたオシャレビルまで建っている。商売っ気満々。
 いやいいんだけどさ。


 お社も立派。
 そして参拝者が行列している。


 神馬までいる。
 ポニーで愛称は明(あかり)ちゃん。
 カメラが嫌いらしくて、撮ろうと寄ったら文句を言って去っていってしまった。
 ごめんよ。


 獅子の親が我が子を千尋の谷に落とす滝。
 多分、上で仁王立ちしているのが父ちゃんで、心配そうにかがんで見ているのが母ちゃん。

 で、ここの御朱印。
 明らかに印刷所から納品されたと思える梱包から取り出した物を、300円と引き換えにはい、はいと渡していくだけだった。
 はっきり言おう、お参りした証だから大事にしろと言い張るなら、もっと取り繕ってほしいよ。
 がっかりだよ。

 そして、この後てくてく歩いていたら万世橋に出てしまったので、写真を撮った。



 まだ交通博物館だった頃に1度来ているのだが、もうすっかりオシャレスポットに。
 万世橋駅の遺構はまだ残っているのかな。

 しばし万世橋を眺めて感慨に浸った後、憧れの肉の万世でカツサンドを買って帰ってきた。
 おいしかった。

○おまけ

 万世橋付近のハト。揃いも揃って皆めちゃくちゃに汚れている。
 一体どういう生活してるんだお前達は?

肝臓フルスロットル

 またくちばしにシミができてきたサーラル。


 分かりにくいが、くちばしに点々とまだらができている。

 このシミは肝臓の調子が悪いと増えてくる。
 丁度サーラルは換羽中で、羽毛を作るために肝臓が頑張っているのでこうなっているらしい。
 ということは、換羽が終われば元に戻るのだな。

掴みはオッケー

 ふぶきがむしった藁を足で掴んで囓り遊びをしていた。
 前からエサ入れでムキエン麦を掴んで食べるのはしていたけれど、こうやって遊びに使うのを見たのは初めて。
 進化してるな。


 長門もそうなんだけど、握りこむ足指の向きが必ず内側から外側に向けてなんだよね。
 人間だと掴みやすいのは外側から内側に握りこむ形だけど、インコは逆。

 片足上げの位置が他のマメより上だったりするのを見るに、ふぶきは足の可動域が広いのかなと思う。
 だから他のマメにできない事ができてるのかな。根拠ないけど。

よぼよぼ換羽

 換羽中の五十鈴おじいちゃん。


 いつもより一層よぼよぼな感じに。

 前は外に出ると即いずものカゴに入り浸っていたのだが、自分より老化の進んだいずもに遠慮しているのか、構ってくれなくなったのでつまらないのか、最近はほとんど行かなくなった。
 かわりにマメどものカゴの上を跳び歩いては、下の住人を怒らせている。
 噛まれたら流血待ったなしなんだから、やめときなさい。

背中に背負う

 くつろぐ時には必ずオモチャを背中に乗せる長門。


 満足そうだけどなんの意味があるんだ……。

 背中から落ちると何度でも乗せ直すので、よっぽど気に入っているのかと思うが、一体なんなんだろう。
 何かにくっつきたいならバードテントに寄りかかればすむ話だし。

なぜそのタイミング

 赤ももひき。


 相変わらず、水浴びがしたくなると水入れに浸かって人間様が霧吹きをするのを待っている。

 待つのはいいんだけど、なぜかこの鳥が水浴びしたくなるのって、人間様が食事中とかオンライン会議中とか取り込み中ばかりなんだよね。
 なんで?

ひみつの寝場所

 どうやらサーラルは毎晩、止まり木に通してある藁の輪っかにはまって寝ているらしい。


 これが藁の輪っか。
 昼寝をする時は普通に止まり木で寝るので、ここは完全に夜限定。

 らしい、というのは、毎朝おやすみカバーを取っている間に素早く出てきてしまい、どうしても現場を押さえられないから。
 そこで、おやすみカバーを取らずにめくって写真を撮ってしまおうと人間様は考えた。


 そーれ!

 完全にはまってた。
 他のマメどもは全員カゴの天井のすみっこを寝床にしているのに、なんでこの鳥だけそんな窮屈な場所がいいんだろう。

最後の藁

 ……これは一両日中に最後のい草を食いちぎって、自分も一緒に落ちるやつだ。


 かろうじて1本だけでつながっている状態。

 い草ロープはそんなに長いのに、どうしてそう無駄な囓り方をするのか。

伊勢の裏のお寺

 今日は朝熊金剛證寺に行ってきた。
 伊勢から伊勢志摩スカイラインの途中にあり、行く手段は車か路線バスしかない。しかも路線バスの運行は土日祝日のみ2時間に1本という、なかなか難易度の高い場所である。
 天気は雨、しかも荒れ模様に向かうという事だが、8:25の初回バスに乗れば10時前には伊勢まで帰ってこられそうなので、頑張った。


 ついた。
 早くもガスがかかり始めていて急がないと危険な予感。
 まあ路線バスは止まったりはしないだろうけど。


 なかなか趣のある庭園。
 ここは伊勢神宮の鬼門を守るお寺で、かつては「伊勢神宮の奥の院」と言われ、伊勢神宮にお参りしたら必ずここにも来るのがならわしだったという。
 創建も古くて、伊勢神宮とほぼ同じ6世紀頃。
 まだ朝のせいか、天気のせいか、他に見かける人の姿といえば、たまたま同じバスに乗り合わせた4人しかいなかったのだが、広大な駐車場があったので、普段は結構な人気スポットなのかもしれない。


 30分ほど滞在していただけなのに、あっという間にガスが深くなった。

 ちなみにここは檀家を持つお寺で、お墓も多数あるのだが、なんといっても卒塔婆が半端なかった。
 奥の院までの参道の道沿いとか、空いた場所とかに、高さ数メートル(後で見つけた料金表によれば、最大のものは8メートルらしい)、太さ十数センチの角材状の卒塔婆が、すき間なくびっしりと立てられている。その数も数百本ではきかない。
 そして、卒塔婆の前には必ず花立てが置かれ、花が生けられている。
 たまに「卒塔婆に遺品をぶら下げないでください」という注意書きがあったりして(実際、子供の物とおぼしい品がぶら下がっていたりして)、基本、ここでは供養は墓ではなく卒塔婆で行う風習らしい。
 さすがに写真は撮らなかったが、すき間なく立ち並ぶそんな巨大卒塔婆に両側から見下ろされながら歩くのは、ちょっとしたやばさがある。
 もっとも、帰りのバスの時間に間に合うよう必死だったので、それほど意識する余裕がなかったのも事実だけど。

 この後は伊勢に戻り、内宮のおはらい町をぶらぶらして過ごした。
 さすがに10時前だとどの店もまだそれほど混んでなくて(でも赤福の店はすでに大行列だった)、行きたかった店には大体入れたのでラッキーだった。
 そして、そんな事をしているうちに風雨が強くなってきたので、夕方の予定だった帰りの電車を切り上げて、昼には伊勢を離れたのだった。

伊勢のいろんな神社たち

 本日は伊勢。
 伊勢神宮を始めとする神社巡りをする。

 まだ平日だし、それほど混まないだろうとは思うものの、念のために8時前に行動開始。


 外宮に行く前に、ホテルの近くにあった月夜見宮と、その隣の須原大社に行ってみた。
 写真は月夜見宮。

 月夜見宮は外宮の別宮、須原大社はそれより古いこのあたりの産土神。
 須原大社の人の話では、月夜見宮もそもそもは須原大社同様、土地神を祀っていた神社だそう。


 外宮の立て札の上でイソヒヨドリがドヤ顔をしていた。
 うちの近所では夜中の3時ごろまで鳴き声が聞こえてくるんだけど、いつ寝ているんだろう。


 外宮。
 前に来たのは式年遷宮の年だから、9年前かあ。
 いつの間にかそんなに経っちゃったのか。


 白木もずいぶん年季が入っていた。

 ひととおり回ってから内宮に移動。
 外宮と内宮はバスで行けるのだが、コロナの影響か大幅に減便されて、大層不便になっていた。
 ……と思ったら臨時便が大幅増便されていた。
 ただ、同じ外宮と内宮を結ぶバスでも、停留所3つほどの最短距離のものと、倍以上時間がかかる大回りのものと、複数あって、うっかり時間がかかるものに乗ってしまうとかなり予定が狂う。


 おなじみ内宮の橋。


 今日から連休にかけて、雅楽を公開しているとのことで、色鮮やかな舞台ができていた。
 赤い飾りが新緑に映えてきれい。


 五十鈴川の手水場。
 大雨の影響でずいぶん水かさが増しているが、水そのものは澄んでいる。


 これは前に来た時には気づかなかった橋。奥に別宮がある。
 朝でまだ行きかう人がまばらなせいか、鳥やカジカガエルがあちこちで鳴いているのが聞こえてきて楽しい。
 これから人が多くなってくると、鳥は森の奥に行っちゃうし、カエルは黙っちゃうからね。


 内宮。


 眠そうな神馬。ずいぶん目が大きくて優しい顔をした馬だった。
 写真を撮っていたらガン見されたけど、耳を見る限りではのんびりとくつろいでいるっぽい。



 そろそろ出ようかな……と思っていたら、雅楽が始まるらしくて衣装を着た人たちがやってきた。
 興味がないわけではないけど、そこまで見たいものでもないのでそのまま移動しようとした所で突然コンタクトにゴミが入って涙が止まらなくなったので、これはまあ引き止められているのかもしれないと思って見る事にした。
 でも雅楽って越天楽ぐらいしか知らないんだけど。


 見る事にはしたものの、舞台の近くは人がいっぱいなので、数十メートル離れた所から眺めている。
 写真もデジタルズームぎりぎりなので、ちょっと画像が悪い。



 なんとか蘭王という舞。



 前の方の人たちが次第に立ち去って隙間が空いてきたので、舞台前に移動して引き続き撮影。
 なんだかんだで30分以上やっているので、全部見ていると次の予定が間に合わないというのはよくわかる。
 これは蝶に扮した巫女さんが舞う「胡蝶」という舞。

 きらびやかできれいだったし、意外とわかりやすかった。ちょっと雅楽の敷居が下がった感じ。
 もしかすると一般向けに分かりやすい舞を選んでいたのかもしれないけれど。

 とまあこんな感じで寄り道をしたり、途中で伊勢うどんを食べたりしながら、猿田彦神社と月讀宮まで足を延ばす。


 猿田彦神社。なぜかピンボケした。


 月讀宮は朝に行った月夜見宮と名前も祭神も同じ。月讀宮が建った後に、月夜見宮にそれまでの祭神にかぶせてツクヨミノミコトを祀らせたので、結果としてダブった、とかなのかもしれない。
 写真を撮り忘れたので、御朱印の写真で代用。
 大きな神社って大体こんな感じで、見返しても楽しくないのよね……。

 なおバスがなかったので、猿田彦神社と月讀宮の間は、片道20分ほど歩いて往復している。
 平坦な道なのでそれほど大変じゃないけど、日陰がないので真夏はやめたほうがいいかも。

 
 そして最後にちょっと足を延ばして、二見浦の夫婦岩までやってきた。
 交通機関としては、伊勢市から電車で20分もかからないのだが、駅から夫婦岩までやっぱり20分ぐらい歩く羽目になった。
 そこまでしても来たのは、実は夫婦岩じゃなくて隣にある水族館、伊勢シーパラダイスを見たかったからなのだが、本日の閉館時刻が16時半。
 到着時点で16時を回っていたため、あきらめざるを得なかった。


 でも歩道橋の上から、屋外エリアで岩の上に乗っているオットセイが丸見え。
 なにこれ楽しい。ちょっと見ていよう。


 岩の上で寝ていた1匹に、どうやら自分も岩に乗りたいらしいもう1匹が因縁をつけ、もめ始める2匹。


 段々ケンカになってきた。


 あっ……。

 この後、プールに落ちたほうを追って、因縁をつけていたオットセイも派手にプールに大ジャンプ。
 水中でも延々もめ続けていた。

 うーん、シーパラダイスは残念だったけど、とりあえずいろいろ見た気がする。