ごはんだ、ごはんだ

 人間様がエサを交換するのを、入口まで出てきて待つカラ。


 ガン見している。
 それにしても羽の流れが分かりやすいね、お前。


 待ちどおしいのでちゅぴ! と羽を広げて催促。

 年を重ねるに連れて羽毛の質は良くなってきているみたいだけど、それでも換羽が来ると一気にみすぼらしい感じになるな……。

執念の勝利

 絶対に自分の巣に入らせまいとするいずもの隙をうかがい続け、ようやく隙を見て入り込むことに成功した五十鈴。


 なんでいずものほうが小さくなってるの。

 そしていずもはいずもで、一度入られてしまうと叩き出すのではなく、もうそのまま受け入れる方を選ぶらしい。
 なんなのそれ。

最後は力

 今日もカゴの中に入りたくない長門。
 どうやれば現実から逃れて入らないで済むか、一応長門なりに考えてはみるようで、入れようとするといろいろと試みてくる。


 とりあえず表情で不本意を表明するが、そんな顔にほだされる人間様ではない。


 こうやって実際に頭を掻かずに真似だけしてみせるのは、人間様に掻いてもらって甘えたいというアピールなのだが、これも断固として無視する。


 カメラにちょっかいを出す事で時間稼ぎをしようとし始めた。


 最後にようやく現実を認め、癇癪を起こして噛みつく長門。
 結局暴力に訴えてくるのやめて。

うっとりくちばし

 ……なんか出てる……。


「…………」

 最初は隣のカゴのフェデフルールを覗いているのかと思っていたのだが、どうやらこうやるとくちばし横の気持ちいいポイントに金網が当たっていい感じらしい。
 インコと違ってくちばしがまっすぐだからできる技だね。

今月で12歳


 病院から帰ってきたチャンドラ。
 早く自分のカゴに戻りたくてそわそわしている。

 最近のチャンドラは、外に連れ出されるのがちょっと楽しくなってきたようで、保温バッグの中から外の物音に合わせて小声でさえずっている声が時々聞こえてくる。
 人なつこいわけではないが、物怖じしないしおびえて噛んだりもしないので、病院の先生にも可愛がられているらしく(時間がかかる処置をしているので、診察中は立ち会わない)、たまに頭のつのつのがきれいにほぐされて戻ってきたりしている。
 チャンドラは今月で12歳。衰えてきているなりに人生を謳歌しているようで、まあ良いことだと思う。

今頃春の訪れ

 なんだかふぶきが発情しはじめている模様。


 こんな風にオモチャにお尻をすりすりしたり、しょっちゅう床に降りて何やらゴソゴソ場所探しみたいな動きをしていたりする。

 前に卵を産んだのは2年前だったか。
 サーラルを縄張り荒らしと見てたみたいだから発情はないと思っていたが、そうでもなかったらしい。
 1個か2個産んでそれでおしまいならいいけど、どうなるだろうか。

箱根でフジタと鳥と噴気孔

 さて、箱根にわざわざ泊まって何をしたかったかというと、ポーラ美術館の藤田嗣治展が見たかったのだ。
 ついでにいつものガラスの森美術館にも寄ろうかな。
 コロナで海外から展示品が来ないから、あまりぱっとしない感じだろうけど。

 今回の展示会は「フジタ──色彩への旅」という副題がついていて、藤田の世界各地での生活と、そこで描いた絵を展示してある。
 当然ながら戦争画はないけどね。
 まあこの人は、場所によって全然違う絵を描くんだなという感じで、面白かった。


 どこの漫画家の作品かと思うが、これも藤田嗣治。
 今回は一部、撮影可の展示があった。
 こういった小品の他に、ポーラ美術館が積極的に収集している「小さな職人たち」という、様々な職人の仕事を子供の姿で描いているシリーズ。


 小鳥屋さん。


「コンシェルジュ」とのことなんだけど、隣にトイレが描いてあるので、ヨーロッパに良くいるトイレおばさん(利用者からチップを取って公衆トイレの管理をしている人)の事だろうか?


 職人……?


 この猫は絶対抱かれるのを嫌がっている。

 あと、例によって美術館の林をひとしきり散策してきた。
 尾根沿いの広葉樹林ではハルゼミとなんか鳥が元気よく鳴きまくっているのに、沢沿いの針葉樹林だと一気に鳥もハルゼミもなくなって、代わりにカナカナゼミが大合唱してるのが面白かった。
 ちょっと位置が違うだけなのに、ずいぶん違ってくるんだな。というかカナカナゼミの大合唱って生まれて初めて聞いた気がする。
 あれって普通1匹とか2匹とかで哀愁漂わせて鳴くセミだよね?

 次はガラスの森美術館。
 カモたちは今年も元気かな?


 いない……。


 いた!
 でもこの2羽だけだった。今年は子育てしてないのかな?


 古代の香水瓶。ちょっと欲しい。


 金化ガラスを撮ろうと頑張って失敗した。
 青っぽい部分が全部金化して虹色に輝いている。


 これ初めて見たな。
 トリックグラスといういたずら向けのグラスで、中に飲み物を入れると……。


 こうなるらしい。
 やられた奴災難だな。


 お気に入りの壺も展示されてた。
 デザイン、色合い全部が気に入っているだが、特に表面の赤い模様が全部描きこんである鳥なのがいい。


 きれい。


 このその辺のガラス細工っぽいかわいさのある白鳥、昔見た記憶があるぞ。

 数点初めて見る物はあったが、やっぱり大部分は前に見たことがある品だった。
 なのであまり時間もかからず終わってしまい、しょうがないので買い物と庭の散策をする(またか)。


 もう1羽カモ発見。
 暑いらしくて木陰に座り込んでいる。


 近づくとハアハア言っている。そんなに暑ければ水に入れば良いのに……。


 一方こちらは元気いっぱいにデーデーポポーデーデーポポーさえずりながら、カモのエサ入れを漁るキジバト。
 鳥によっても体感温度が違うのだろうか?


 大涌谷はどうなのかと見てみたら、すっかり大人しくなってた。

 そろそろお昼を過ぎたし、この後は強羅公園でサンドイッチでも食べて帰ろうかと思っていたのだが、なんというか、こう、何となくアクション成分が足りない。
 そこで強羅公園をやめて、お昼はその辺で済ませ大涌谷に行くことにした。
 強羅からケーブルカーとロープウェーで30分ぐらいなので、それほどかからず行って帰ってこれるはず。

 ……ケーブルカーが昼前に故障で運休してしまい、代行バスになったが、それ以外は全く問題なく大涌谷に到着した。


 うん、やっぱりコロナ前に比べると格段に大人しくなってるな。
 まだ上の噴気孔のあたりは立ち入り禁止だけど。というかもう永久に立ち入り禁止のままになるんじゃないだろうか。


 下の方も一見荒ぶっているけど、格段にガスが少ないし。

 しばらく噴気孔を堪能してアクション成分を補給したので満足して、いつの間にかきれいにリニューアルしていた早雲山駅で足湯を経由したりしながら帰ってきた。

熱海で動物画見てきた

 7/17、18と、熱海と箱根で美術館巡りをしてきたため、後追いでのアップとなります。

 熱海のMOA美術館でやっている竹内栖鳳展を見に行ってきた。
 土石流災害の現場に割と近くて、実際災害時は救援車両の待機場所になり休館したりもしていたため、迷ったのだが、期間が21日までなので思いきって行くことにした。
「班猫」を始めとする動物画が最近注目されてきているので、そのうちあちこちで見られるようになるのかもしれないけど。


 良くある構図。
 山の急斜面にあるので、入口を入ってから展示室にたどりつくまでに、やたら長いエスカレーターを5本以上上る必要がある。


 が、その分眺めは素晴らしい。


 名物らしい天井の映像。

 結論から言うと、しょぼかった。
 大作も数点あるのだが、なんというか、あれだけ時間かけてエスカレーター上ってきてこれで終わり? という気分になる。
 というか、MOA美術館自体が、建物が壮大な割に展示室の規模が小さすぎるのだな。
 実業家ではなく新興宗教が運営している私設美術館としては結構頑張っているほうなのだけど、上野あたりの美術館や博物館を見慣れているので、どうしても比較してしまうのはあると思う。

 で、MOA美術館が意外と早く終わってしまったので、近くにある来宮神社に行くことにした。
 最近こちらももらい事故的に有名になっていたようだけど、近いと言ってもMOA美術館から歩いて40分ほどかかるので、一旦熱海駅に戻ってバスを使う。


 街中に突然現れる緑深い一角が来宮神社。
 樹齢2000年を越える大楠を中心にした神社。
 規模は小さいが、熱海の神社の総領的な立場でもあるらしい。

 道路に囲まれているのに、一歩入ると風が通って涼しくていい気持ち。
 木にちなんだ神社というのもうなずける。

 来宮神社からまた熱海駅に戻ってお昼を食べ、さらに伊豆山神社にも行こうとしたのだが、こちらは土砂崩れで道路が完全に通行止めとのことで、あきらめた。
 まだ14時だったのだが、他に予定もないので、宿泊地の箱根に足を向ける事にした。


 熱海から箱根湯本まで、新幹線を使わなくても1時間程度。
 ホテルへチェックインを済ませても15時。本来ならまだまだ遊べる時間帯のはずなのだが、箱根も蔓延防止なんちゃらで、どこの施設も店も17時か18時までしかやっていない。
 結局湯本の商店街を冷やかし、甘いものを食べてあたりを散歩するだけで終わってしまった。
 これは早川にあった小さな小さな滝。


 カワウ。
 カメラを構えると潜るので、どうやら警戒していたらしい。

あのね気付いて

 ふと気付くとじっと遊んでくれるのを待っているサーラル。


 お前いつからそうやってたの。

 人間様が他の部屋に行くと鳴いて呼ぶのだが、同じ部屋にいると黙ったまま、いつまでもこうやって待っている。
 あまりひっそり待っているので、諦めてカチャカチャ止まり木に帰っていく音でようやくいたのに気付くこともある。
 自己主張が強いくせに、変なところで遠慮がちになるんだから。

衰えの足音

 人間様に頭を掻いてもらってご満悦なチャンドラ。


 でもちょっとつのつのしているので、たまに痛いから筆毛に触るなと怒られる。

 こんな感じでマイペースに過ごしているチャンドラだが、最近、衰えが目立つようになってきた。
 エサはきちんと食べて羽毛の手入れも頭のつのつの以外は完璧なのだが、体重が少しずつ減ってきているし、お腹がすいた時以外はほとんど床で眠って過ごしている。
 病院でもらっている薬の中には吐き気止めも入っているのだが、それでも吐き気があるらしく、頻繁に生あくびをするようになった。
 いよいよ最晩年に入ってきたのかなと思う。
 まあ本人はすこぶるのんびり日々を送っているらしいので、願わくば最後の時までずっとこのまま穏やかにいってほしい。