長門が知ってるおいしいもの

 果物屋さんで高級リンゴがタイムセールでめちゃくちゃ安かったので、試してみる事にした。
 この季節にリンゴなんて食べた事ないな。
 人間様の好みはふじとかサンふじみたいな固い系なんだけど、どうなんだろう。

 結論を言うと、サンふじみたいな歯ごたえはないが、さすが高級なだけあっておいしかった。
 そして一人でリンゴを楽しんでいたら、おいしい物だと見破った長門が欲しがり始めた。


 欲しがるポーズ。
 必死なあまり目が出ちゃってる。


 ひとかけらやったら、すごい嬉しそうに大事に大事に食べていた。

 良く自分が食べられる物だって分かるね。
 そういえば前にあげた事あったっけ。

サーラルの肝臓

 相変わらずサーラルは、一旦外に出たら最後、気が向かないと絶対手に乗ってこない。


 おいでってばよ。

 ところで、実はサーラルは先月からチャンドラと一緒に病院通いをしている。
 2月頃からくちばしが変に伸びてきてしまったのだ。
 ヴェガもくちばしは伸びっぱなしだったが、あの鳥は一応、先端に行くほど細く鋭くなるという、くちばしの伸び方のセオリー(?)は保たれていたので、長さはともかく格好は悪くなかった。
 一方のサーラルは、なんだか太いままでどんどんくちばしが伸びていってしまうため、不格好な上に噛み合わせもよろしくない。
 しかも、伸びている部分の色がなんだかあせた感じに変色してきて、明らかに健康的ではない。
 そこでチャンドラのついでに病院に連れて行ったところ、肝臓が悪いためにこんなくちばしになっている可能性があるということで、投薬とくちばしの定期的なカットを始めることになった。

 マメルリハは肝臓を悪くする個体が多いというのは聞いていたが、サーラルはまだ1歳になったばかり。ようやく幼鳥時期を脱したぐらいなのに、もうそんな風になっていまう事に驚いた。
 もしかすると、遺伝要素もあるのかもしれないが、これから一生病院通いもかわいそうだし、人間様の懐にも非常に厳しいので、なんとか治って欲しい。

お腹の羽毛が気になって

 もふもふふかふかの長門のお腹。


 顔をうずめたい。

 スケール的に顔をうずめるのは無理なので、たまに指をそっと埋めてみるのだが、長門的には気に入らないようでいつも怒って噛んでくる。
 でも、長門の図体でこの体勢からお腹を触っている指を噛むのは結構難しいので、いつも人間様は悠々と逃げおおせている。

魚と魚とそれから動物

 老朽化を理由に、9月末で閉館になる京急油壺マリンパークに行ってきた。
 八景島シーパラダイスができるまで近隣に大きなレジャーランドのなかった三浦半島人にとって、最も手軽な「お出かけ」の場であり、三浦半島の小学校が必ず1度は遠足の地として選ぶ場所でもある。
 いわば三浦半島人のソウルランドと言ってもいい。
 そのソウルランドがなくなるのだ。これは是非行かなくてはなるまい。


 マリンパークへは、京急三崎口駅からバスで15分ほど……なのだが、なんだろうこの行列は。
 しかも道路も渋滞していて、倍ぐらい時間がかかった。
 まさかすでに閉園で人が押し寄せるムーブになっているのか?


 見始めたところで、魚のショーが始まったのでそっちに行った。
 これ、もう何十年と続いている伝統のショーなんだよね。
 小さい頃から来る度見てたわ。

 主人公であるイシダイの縞七くんは小学生。朝学校に行ってから家に帰るまでをお見せします、という設定。


 朝の通学。
 信号が緑になるとちゃんとそっちに向かう魚たち……なのだが、交互に色が変わる事を学習しちゃってずるしてる奴が結構いる。
 魚も色を見分けられるということを示す芸。


 デンキウナギの校長先生。
 発電するとスピーチが流れる。


 算数。魚も計算ができる……わけではなく、裏から人間が指示をして正しい答えを灯している。


 国語。ふたつのカテゴリから言葉を選んで持ってくる。
 なお、その言葉を元に文章を作るのは人間。


 体育。輪くぐり。
 すごい速かった。


 おうちへ帰る縞七くん。

 この魚芸、どこででもやっているものだと思っていたけど、実際にはやっている水族館をほとんど見ない。
 コスト的に調教の手間が割に合わないのかな。かわいいと思うんだけど。

 さて、ショーが終わったので本格的に展示を見ることにしよう。


 カニ。


 古代魚。


 多分シャコとカニ(名前忘れた)。

 全体的に写真がぼんやりしているのは、水槽の透明アクリルが古くて恐らく傷だらけになっているため。
 壁にがっちり固定してあるので交換もできないし、こういう部分も老朽化ということなのだと思う。
 というか、暗い上にこれなのでちゃんとした写真があんまり撮れないや。一眼持ってくれば良かったなあ。


 タカアシガニ。昔は数匹いたけれど、今は1匹だけだった。
 隣の魚の名前は忘れたが、これ遠近の関係で大きく見えているのではなくて、実際にタカアシガニとタメをはるぐらい大きい。


 古代鮫の剥製。
 ここは研究施設でもあるので、こんな学術的な展示も結構ある。
 メガマウスの内臓ホルマリン漬け1匹分なんてのもあった。


 きれいなアオリイカ。
 人が気になるらしくてしずしずと近づいてくるのだが、指を出すとびくっとなってあとずさりするのがかわいい。


 一方、何を考えているのか分からないコウイカ。


 目が合った。


 歩く魚、ホウボウ。
 歩いてた。


 サンゴとなんかそっと隠れてた魚。


 ダイオウイカのホルマリン漬け。
 意外と小さい気がするが、ダイオウイカの全長とはあの腕を含んでのものなので、いわゆる「本体」はそれほどでもないらしい。


 イセエビさんとウツボさん。
 イセエビは連休に紀伊勝浦から実家に土産で送ったのだが、あれは実はかなり小さかった事が判明した。


 そのイセエビがカラフルになって巨大化したニシキエビ。
 ここまでになるとむしろおいしくなさそう。


 大抵の場合、大きな魚の方がホンソメワケベラに掃除してもらいたくて寄っていくのに、ここでは彼らの存在など無視して泳ぐ大きいの(名前忘れた)を一生懸命ホンソメが追いかけて回っていた。


 まるで水中を飛ぶ蝶のようなミノカサゴと、ミノカサゴを撮っていたら勝手に写り込んできたハコフグ。
 フグも好奇心強いからな……。


 これも小さい頃からあった、水槽の後ろに人が入れる場所があって、まるで水の中にいるような写真を撮れるコーナー。


 マリンパークの目玉は、2階にある円形の大回遊水槽。
 今でこそこれ以上の施設はあちこちにあるが、1968年の開館当時は確実に日本一(自称東洋一)だった。


 昔はもっといろいろな種類がいたような気がするが、光の中を思い思いの速さで回遊する魚たちを見ていると飽きない。
 餌やりの実演もあるのだが、残念ながら時間が合わなかった。


 サカサクラゲ。


 魚だけではなく、動物や鳥もいる。
 これはゴマフアザラシ。
 もともとは1頭だけしかいなかったのが、今年になって2頭増えたそうだが、やってきたと思ったら閉館になってしまう2頭がちょっと不憫。


 イワトビペンギン。
 いくらでもいる。日本で初めて二世代繁殖に成功しているそうな。


 人間が気になって仕方がない皆さん。
 カメラやスマホを構える人間に興味津々。
 まあ、一方的にこっちが見るだけじゃないのはいいことだね。


 人間を気にしながら歩いていたら、足を踏み外した人。


 コツメカワウソの寝顔。
 全員寝ているので寝顔しか撮れない。


 なぜフクロウが水族館にいるのか、良く分からない。


 オットセイ。寝ながら泳いでると思ったのだが、別にそうではなかったらしい。


 園内にはビオトープも作られている。
 メダカやオタマジャクシなどがたくさんいて楽しい。


 いるか・あしかショーももちろん見た。
 ここのは演劇仕立てになっていて、今回はペンギン(着ぐるみ)の武将と配下のオットセイやイルカ(実物)たちのお話。
 でもこの着ぐるみはペンギンというよりつば九(以下略)。
 普段は気が向いた時に入れるのだが、今は入場者が多いので、入場時に決め打ちで整理券を配られる。


 動物たちに指示する飼育員もちゃんと和風っぽい装い。


 オットセイが水戸黄門のテーマを演奏し、それに合わせてイルカが合唱するというシュールな芸。
 なぜその曲を選んだ。

 思いのほか夢中で楽しんでしまった。
 子供の頃の思い出施設って、大きくなってから訪れると大なり小なりコレジャナイ感があるものだが、ここには全くそれがない。小さい頃から何度となく楽しんだものがそのまま残っていて、さらに新しく楽しめるものができていた。
 閉館後、ここは取り壊されて、高級志向の滞在型リゾート施設に生まれ変わるのだという。
 ぶっちゃけ、三浦半島はリゾート地としてはかなり格下な上に、すでに京急は近隣に複数その手の物は作っているので、どう考えても新規顧客を呼べないまま、パイの食い合いになるだけにしか見えないのだが、要するに手持ちの駒が少なくて、これが精一杯なのだろう。


 小さい頃からあって、これからもずっとあると思ってたのに、今日見た物は全部、写真と思い出の中にしか残らなくなる。
 どうもありがとう、さようなら。

 と余韻に浸りながら帰ろうとしたのだが、まだ時間が結構あるので、ふと思いついて川崎水族館(カワスイ)に行くことにする。
 前から1度行きたかったのだが、そのためにわざわざ川崎に行くのも面倒臭かったのだ。コロナだし。
 幸いマリンパーク最寄りの三崎口駅と、カワスイがある京急川崎は、京急1本で行ける。両者を比較するのも面白そうだ。


 というわけで、カワスイ。
 入口の写真を撮り忘れたので、入場チケットを撮ってみた。
 水族館なのにカピバラなのか。


 レイアウトはきれいで手が込んでいる。


 が、魚の説明がいまいち。
 明らかにメダカとイモリ以外の魚もいるのだが、それについての表示が全くない。見た人もたまに勘違いをしている。
 水槽ごとにQRコードが出ていて、詳細な説明はそこを見てということらしいが、それそういう省略の仕方しちゃ駄目なところじゃないか。


 カメが木に登っていた。珍しい物を見た。


 ここも展示は魚だけじゃないんだ(知らなかった)。
 もふもふふかふかですごく触りたいワライカワセミ。すごいこっちを見てくる。青い羽がきれい。


 多摩川だかどっかで捕れた黄金のナマズ。いわゆる白変種。


 水槽は大体がこんな感じ。はっきり言うと、熱帯魚のレイアウト水槽。
 展示されている魚も熱帯魚ショップで購入可能なものばかりだし、なんか微妙だな。


 こっち見んな。


 カメレオン。かわいい。


 水中(カラシン類)と地上(アルマジロ、イグアナ)、樹上(コモンマーモセット)の生物を複合的に展示している。
 実際の生態系に忠実なのかという疑問はさておいて、こういうのをもっとやればいいのに。


 2匹いたコモンマーモセット。なんだかやたらとアグレッシブで、木や天井を跳び回って大暴れしていた。


 アルマジロは足が短くて木をまたげず困っていた。


 カエルたち。


 デンキウナギは実は自分の電気で自分も感電していたらしい……。


 なんかの鳥。
 くちばしが曲がっているからトキの仲間かな?


 ひっくり返って起き上がれなくなっていたカメと、そこにつっこんでカメの窮地にさらに輪をかけるアルマジロ(別個体)。
 近くにいた飼育員さんに通報した。


 助けてくれた飼育員さんに甘えに行く2匹。かわいい。


 なぜかナマケモノもいた。
 割と機敏に動いていた。

 複合ビルの10階という制約の中で、できることは限られるし、研究施設でもある油壺マリンパークと、手軽なエンタメ水族館のカワスイを比較してはいけないのだけど、もうちょっとやりようはないのかという感じはする。
 動物をあれだけの手間をかけて展示する事ができるなら、本来の対象である魚類をもっと充実させるべきではないだろうか。

○おまけ


 油壺マリンパークにいた乗り物。
 すごく乗りたかったけど、大人なので我慢した。

いつまでもこうしていたい

 チャンドラが完全にデレた。


 カメラが見ているのでちょっと警戒しているが、本来はもっと目をつぶって頭をふくらませている。

 毎日カゴから掴み出されての体重測定を嫌がるチャンドラをなだめるために、測定の度に手に乗せて頭を掻いてやっていたら、最近はカゴに戻りたがらなくなった。
 潮時を見てカゴの床に置こうとしても、もっと掻けとばかりにがっちりと指を掴んで頭を手のひらに押しつけぐりぐりこすりつけてくる。


 気持ちよさそうでなにより。

 そして最近では、催促されると何となく自分から手に移動するようになった。
 片手でチャンドラの身体を包むようにしながら、丁度お腹の前に指が1本来るようにすると、自分からその指を掴んでくる。
 こういう理解力の高さは、やっぱり伊達に年は取ってないな。

時差恐怖

 新しいサーキュレーターをひすいのカゴの近くに置いたら、15分ぐらいたってからカゴに貼り付いておびえ始めていた。


「なんかこわいのがあった……!」

 どうやらずっと気付かなかったらしい。
 本当にマイペースだね、お前は。

突然の衝動

 何やらひすいがさとうきびのオモチャを相手に荒ぶっている。





「えい!」

 ひすいはこれがあんまり好きではなく、普段は床に転がしっぱなしで食べこぼしのエサにまみれているのだが、たまに突然構いたくなるらしい。


 気が済んだ?

あえてこの格好

 またなんかあやしげな格好で遊んでるな……。


 それで踏ん張りがきくんだろうか?

 マメどもを見ていると、どうもあえてやりにくい格好で物事にトライしているのではないかと思う事が時々ある。
 もしかすると、それも遊ぶ楽しみのひとつなのかもしれない。
 自信ないけど。

応答を要求する

 カラが人間様を呼んでいる。


「呼ぶよ!」

 実は、人間様が仕事をしている時、一番うるさいのはカラ。
 何がきっかけになるのか知らないが、突然、こうやって逆さになって人間様が返事をするまでしつこく大声で呼び始める。
 返事をしてやると一応満足するのか、静かになって止まり木に戻るのだが、しばらくするとまた金網に逆さにしがみついて、人間様が返事をするまで鳴き続ける。
 しつこさに負けてまた返事をしてやると、また満足して止まり木に戻るのだが、しばらくすると再度金網にやってきて……の繰り返し。
 別に遊んで欲しくてやってるわけではないようなのだが、一旦スイッチが入ると自分が飽きるまで何度でも繰返すので、遊んで欲しいと催促されるよりもむしろ面倒臭い。
 困った鳥だな。