恐怖の日

 ヴェガが昨日の夜から金網に貼り付いたままになっている。
 どうやら、何かが恐くて止まり木に降りられなくなってしまったらしい。


 見ていると、エサも水も食べていない。
 居眠りすらここでしている。
 好物のドライフルーツを差し出してみると、これは怖がらず一応受け取るのだが、すぐに落としてしまう。

 時々どこかを伺いながら威嚇するような声やおびえた声を出すのだが、人間様がいくら見ても変な動きをしている物は見当たらない。
 カゴの底に敷いている新聞紙の色鮮やかな広告が嫌なのかと思って白い紙に代えたりもしてみたが、それもどうやら違った模様。
 一体どうしたらいいんだ。


 とりあえず、カゴの外に恐怖がある可能性を考えて布で覆ってみた。
 するとしばらくして、エサ入れに降りていって食べる気配がし始めた。
 正解を引き当てたわけではないが、とりあえずはなんとかなったらしい。やれやれ。


 でもこれだと水が飲めないらしいので、水入れのあたりも覆った。

 大丈夫かな。
 明日にはなんとか折り合いがついているといいけど。

クッションねこあつめ

 なんか気付けば実家が猫クッションだらけになっている。


 多分母親の仕業。

 本物がいるんだからクッションは別に普通でいいじゃないかと思うのだが、そういうものではないらしい。
 どういうものなのか良く分からん。
 

美しさは悩み

 ふぶきがもこもこしている。


 また足の位置が変だし。

 質量共に我が家のマメルリハどもの中でトップクラスの美麗な羽毛を誇るふぶきは、それゆえに水浴びの時はなかなか濡れない。
 羽毛にあまり脂っけのないカラは、霧を吹いてやるといくらもしないうちにびしょびしょになるし、羽毛の質はいいが量の少ないひすいも、ひすいよりは多いがやっぱり羽毛少なめのアッサムも、割とすぐ濡れてくれる。
 だが、ふぶきはいくら霧吹きをしても、良く脂の乗った分厚い羽毛の表面で水滴になってコロコロ落ちていってしまうのだ。
 本人もなかなか濡れない自分にじれるらしく、盛んに翼を広げたり背中を向けたり、もっと水かけろアピールをしてくるのだが、そんなこと言われても濡れないものはしょうがない。
 大体、それって人間様のせいじゃないし。

遊んでサーラル

 控えめに言ってわがままに育ってしまったサーラル。
 ちょっとでも人間様と目が合おうものなら、即「遊んで!」とカゴに貼り付いて大騒ぎするので、仕事中はうっかりサーラルの方を見ることもできない。
 というか、この鳥をそこまで甘やかした記憶はないのだが、なぜ「目が合ったら遊んでくれる」などという発想が刷り込まれてしまったのだろうか?


 そんなもふもふのお腹を見せて誘惑したって駄目だぞ。

 一方で、あまり無視するとストレスをためて問題行動に走る可能性もあるので、加減がいろいろ難しい。
 まあ、1年もして大人になったら落ち着くとは思うけど。

時々世界が恐くなる

 他のインコどもと遊んでいると、いつもこうやってケージに貼り付いて眺めるヴェガ。


 興味はあるみたいなんだけど……。

 最近のヴェガは、神経質さがちょっとエスカレートしている感じ。
 急に「キキキキキ!」とただ事ではない悲鳴を上げてカゴの中を逃げ惑うといった行動をたまにするようになった。
 普段はこうやって暇があると外を眺めたり、人間様の手からドライフルーツを食べたり(剥きオーツ麦だと一旦受け取ってわざと捨てたり)、割と穏やかな時間を過ごしているのだが、発作的に何か恐怖に襲われるらしい。
 で、一旦そうなると、元に戻るまでに一晩かかる。
 まあ、元に戻るだけいいのだが。

 これがなんとかならないことには、奇形の状態を調べてもらいに病院にも連れて行けないので、治そうとはしていっているのだが、うーん、もう多少無理してでも病院に連れていった方がいいのかなあ。
 でも、せっかく少し慣れているのに、それで取り返しがつかない事になるのも困るしな。

失った宝物

 ペレットの中に特別大きな粒が混ざっていたのをを見つけたピリカ。
 そんな大きさのが果たして飲み込めるのかと心配する人間様をよそに、ご機嫌でチッチッチッチとつぶやきながら、くわえては歩き、歩いては置き、置いてはまたくわえ直して自分の大発見を楽しんでいる。


 嬉しいのはいいけど、シン・ゴジラの蒲田くんみたいなその顔はやめてよ。

 ところが、そうやっているうちに、敷き藁にまぎれてどっかに行ってしまったらしい。


「…………」

 どこかに飛ばしたわけじゃないんだから、その辺を探せば出てくるよ。

老人と頭掻き

 前はカゴに指を入れると挨拶代わりに噛みついてきたのに、最近はすぐに頭を掻いてもらおうとするようになったチャンドラ。
 歳をとってずいぶん丸くなった。


 うっとり。

 うっとり。

 そして、そんなチャンドラを見ていて自分も掻いて欲しくなった長門。


 そんな物欲しげな顔しなくても掻いてあげるから。

みだれ髪

 いずも。
 そのくちばしの付け根の白いの何?


 ひょっとして白髪?

 と思ったら、数時間後にはなくなっていた。
 どうやら、単なる羽の乱れが光の加減で白く見えただけだったらしい。

昼寝タイム

 メロンを実家に届けに行ったついでに、猫と遊んできた。
 といってもこの暑さで少々バテ気味。


 一体なんなのその格好……。
 前の猫もそうだったけど、四つ足でしっぽのある動物が、仰向けの格好でくつろげるの?

ちょっとどしたの?

 何か気になる事でもあったのか、長門がさかんに「どしたの どしたの」と尋ねてくるのだが。
 うーん、そんな格好で問われても……。


 別にどうもしてないよ。
 何か心配事でもあった?

 たまに人間様が良く分からない事をインコは気にするからな。