さよならファントムこんにちは代々木

 百里基地航空祭(特別公開)と自衛隊音楽まつりをハシゴしてきましたが、さすがに疲れたらしく頭痛がするので後でアップします。

 復活しました。

 というわけで、百里基地航空祭(特別公開)と自衛隊音楽まつりに行ってきた。
 特別公開というのは、一般公開の前日に近隣住民限定で希望者に公開される事前予行。知人が基地側から招待され、域外の人も同伴可ということで連れていってもらった。
 なお、百里基地の最寄り駅、石岡駅から今回音楽まつりをやる代々木体育館最寄り駅原宿まで、常磐線特急を使えば約2時間。基地祭が14時半終了なので、基地祭名物大混雑をなんとかかわして頑張れば間に合う計算ではある。


 時刻は7時。朝日を浴びるブルーインパルスとF-4ファントム。
 というか寒い。気温は氷点下3度らしい。
 ファントムは実に50年以上に渡って使われてきた機種で、おじいちゃんと呼ばれて親しまれているが、さすがに耐用年数やらなんやらの関係で今年度いっぱいで全機退役が決まっている。
 なので、こういう姿を見られるのはこれが最後。


 偵察機型。カラフルなのは迷彩。


 ファントムを見ていたら、海自のP-1が展示されに厚木から飛んできた。


 百里基地でP-1がブルーインパルスの後ろを通っていくという、割とシュールな風景。
 ついでに、左端に見える山は筑波山。雲一つないのでブルーがスモーク引いたら筑波山からでも見えそう。
 ちなみに、丁度P-1と重なる位置にあるブルーの垂直尾翼に番号がないが、どうやら不具合で代替機を使っているかららしい。



 始まるまで1時間半以上あるので、展示機をぶらぶら見に行ってみる。
 四季のモチーフをペイントしてあるF-2がきれい。



 正面顔シリーズ。ずんぐりしたのがC-2、しゅっとしたのがP-1、まっすぐなのが多用途支援機というふんわりしたカテゴリのU-4。


 基地防衛用の対空砲も展示してた。


 オープニング飛行の準備のためにタキシングに入るファントム。


 次々と離陸していく。


 ついでに茨城空港から特別塗装のスカイマークも離陸。


 オープニング飛行が来るまでの間観覧車(とプログラムには書いてある)でも撮っていよう。
 F-35の方はミサイル積んでたりブルーの方は実機と機体番号をちゃんと合わせていたり、無駄に作りが細かいな……。


 オープニング飛行来た!
 この百里基地でしか見れない、しかも今年が最後のファントムの6機編隊飛行。
 ていうか全機増槽つけてるんだけど、今日は一体どれだけ飛ぶつもりなんだろう。


 そしてファントムが通り過ぎた直後にやってきた別の編隊。
 かなり受けてた。


 遙か上空を飛ぶ民間機の近くを通り過ぎるファントム。


 そして着陸すると出てくるかわいいパラシュート。
 大好きなんだけど、これも今日で見納めかー。


 続いて百里救難隊によるいつもの救難展示。
 災害が増えてるから大変そうだな、彼らも。


 どれだけたくさんの機種を1枚の画面に入れられるか試してみた結果。
 右のF-15が切れたのが悔やまれる。


 ずらりと並んだサメ顔ファントムと、高度を下げて着陸していくH-60の後ろ姿。
 他の基地だとすーっと垂直に降りる事が多いから、こんな風に固定翼機みたいな角度で着陸するのはちょっと珍しい。


 F-15。
 今日はファントム祭りなので、飛んだのはこの1回だけ。


 そしてブルーのパイロットが整備員と一緒に搭乗準備をし始めた。
 この基地祭ではブルーは午前中に飛ぶ。
 観客がブルー目当てとファントム目当てに明確に二分されるので、ブルー目当ての客を早めに帰して混雑の分散を狙っているのではないだろうか、と思うが定かではない。

 ブルーといえば、救難展示の間、1人だけ展示には見向きもせず全然違う方向にカメラを構え続けている多分アラサー女子が近くにいて、何だと思ったらブルーを整備する整備員をひたすら撮り続けているのだった。
 しかも大きなズームレンズで、整備員の一挙手一投足を、執拗に何枚も何枚も。
 なにそれこわい。

 閑話休題。


 準備を終えて手を振りながらタキシングしていくブルー。
 そういえば、プログラムには通称儀式ことウォークダウンがあったが、実際にはそんなものやらずにパイロットたちはさっさと乗って出発してしまったな。
 本番じゃないからかな?
 まああれ退屈なだけなんで、ないならないで全然かまわないというか、むしろありがたいんだけど。


 タキシング中の全機尻。
 誘導路の場所と角度によっては見れないちょっと珍しい構図。


 ……と思ったら、滑走前の最後の点検で3番機に異常が見つかったらしく、今回の展示は5機体制となった。
 5機が離陸した後、とぼとぼと戻ってくる3番機。
 パイロット一番張り切ってたのになあ……気の毒に。

 とはいえ1機足りないだけで、天候には全く問題なかったので、プログラムは6機いないとできない星とかを除いて予定されていたものは全部実施になった。


 整備員に囲まれる3番機の上空を粛々とスモークを吐いて通過していくブルーインパルス。


 しかしやっぱり1機足りないと微妙にバランスが悪い。


 そして地上ではただごとではない感じになっているが大丈夫か。


 太陽光の加減か、スモークの陰影が強調されて絵画みたいな雰囲気になっている。
 入間ではこんな写真撮れたことないな。太陽の高さとか関係するんだろうか?


 筑波山とブルー。


 これまで狙っても撮れなかったタッククロスに初めて成功。


 2番目に好きなやつ。
 ちなみに1番好きなのはコンバットブレイクだが撮り損ねた。


 帰ってきてからもパイロットたちは無造作に退場していった。
 ちなみに3番機のパイロットもさりげなく混じって帰って行った。


 午後はファントムの独壇場。
 模擬スクランブル発進と機動。黄色いのは特別塗装機。
 スクランブル機動では、上の方で写真を撮った対空砲(写真とは別のもの)が上空のファントムを空砲で迎撃し、対するファントムは爆撃とバルカン砲の地上攻撃動作を行うという大変シュールな模擬戦闘が行われた。
 実は対空砲見たかったのだが、距離が離れていていけなかった。残念。


 そしてトリを務めるのはまた偵察型。



 同じ頃、地上では3番機がひっそりドナドナされていっていた。


 パラシュートも撮り納めかな。
 同じシステムは実はF-2にもあるそうだけど。

 これで飛行展示はおしまい。
 後は地上展示をぶらぶら見ながら代々木第一体育館に向かうことにする。


 こちらは今回飛ばなかった展示機。


 機体に描かれている年号は、ファントムがデビューしてから退役までの歳月。
 艦艇だって30年そこそこが寿命というのに、これだけ長く使われているということは、やっぱり名機なんだろうなあ。

 なお、百里は来年は航空観閲式。
 再来年の航空祭では、F-2が代わってやってくるらしい。

 というわけで百里を後にし、今度は代々木へ。
 一緒に行く予定の妹と合流し、会場に入ったのだが、なんだか今回手荷物検査が厳しかった。
 いつもはバッグのメイン部分をを開けてひととおり見せればおしまいなのだが、今回は収納可能な場所は全部開くように言われ、手を入れて中まで探られた。
 百里基地で買った羊羹とかぎんなんとか芋がらとか(地元のおばちゃんが野菜や果物を商品に出店していたのだ)を晒す羽目になって非常に恥ずかしかったのは言うまでもない。


 ちょっと時間が遅かったので2階席。
 楽屋裏?で最後の練習をしている人たちが見える。


 オープニング。
 代々木体育館は会場を挟んで観客席が両側に分かれている。
 正面は赤い貴賓席がある場所なので、基本的に演奏者はそちらに向かって演技をする。ちなみに今回座ったのは反対側。
 一応、こんな風に反対側も向いてやってくれる場合もあるのだが、大体は演奏者の背中を見ることになる。


 人文字「令和」。


 陸自と儀仗隊。


 海自は今回、ベートーヴェンのメドレーをピアノコンチェルトで演奏という変わった演目だった。
 でも最後はいつもの通りの軍艦マーチだったけど。


 在日米陸軍。


 米海兵隊。


 陸海空時と合同演奏。
 楽しそうだ。


 ゲストバンド、ベトナム人民軍総参謀部儀礼団軍楽隊。
 国旗の星を人文字で描き、その名も「ベトナム」という歌を高らかに歌い上げる姿に、何というか確かに共産主義国家だなと納得してしまった。



 こちらもゲストバンド、ドイツ連邦軍参謀軍楽隊。
 ベルリン・フィルとも共演できるレベルの高さらしいが、それ以外にも人文字が非常に巧みだった。
 3枚目で「日本♡」と書いてきたり、退場時には軍の紋章である鷲の姿を描いて羽ばたかせながら去っていったり、さすがベルリン・フィルのお膝元だけのことはある(違う)。
 ちなみに妹がエーベルバッハ少佐と同じ制服だと感動していたが、そこか? そこなのか?


 空自。
 パターンは毎年一緒なのだが、毎回華やかに見せてくる演出力はやっぱりすごい。



 ゲストバンドと陸海空勢揃い。米軍が相手の時とは違って今度はまじめ。
 しかし真ん中の箱ドラムの意味が分からないのだが、何だろうか?


 太鼓。


 フィナーレ。


 指揮者退場。

 背中ばかり見る羽目になった割には、なかなか面白かった。
 しかし、来年もここでやるなら、もうちょっと両面に配慮した構成にしてほしいな。


 退場者の波。
 一応流れてはいるようだが、あの状況だと会場の外は大混雑しているのではないだろうか。


 とりあえずコロコロの儀式を見ながらすくのを待って帰ろう。

パッキングドピリカ

 帰宅したらまたピリカがケースから消えていた。
 脱走されるたびにいろいろケースの上覆いを工夫していたのだが、なにしろその気になればヘリコプターのように一気に上昇して天井に体当たりできる瞬発力とパワーの持ち主だけに、ある程度は加減しておかないと最悪頭を強打して死んでしまう可能性もある。
 しかし、加減をすると、暇にまかせて弱点でも研究しているのか、こうやって最後には脱走されてしまう。
 一体どうしたものか。世のヒメウズラ飼いの人たちはどうやって対策しているのだろう。

 で、脱走したピリカだが、今回はどこにいたかというと……。


 なんかそこの白い袋の中からカサカサ音がするのだが。


 …………。

 洗濯機の時も思ったが、一体何をどうすればそんな所に入れるのだ。


 まあなんだかんだで粟穂をたらふく食べていたようで、空腹ではなそうだったが、さすがに窮屈でいやだったのか、出してやったら一生懸命甘えてきた。

 だからそういう思いするんだから出なきゃいいのに。

それぞれの被写体事情


 粟穂をむしって遊んでいる姿を撮ろうとしたら、こちらを見つめて固まってしまったフェデフルール。


 そのまま見てたら固まったままちょびっとだけ威嚇してきた。


 一方、カメラ好きの長門は、隣で撮影してもらっているフェデフルールがうらやましくて仕方ない。
 一生懸命自分も撮れとアピールしてくる。


 はいはい、分かったからかわいい顔しなさい。

 どういうわけか、ここ最近買ったインコどもは揃ってカメラが嫌いなんだよね……。
 もっと撮りまくって慣らした方がいいのかな?

待ち行

 五十鈴……。

 だからこっちが寒いから、そんなところで出してもらえるのを待つのやめて。


「早く出せ」

 足が冷えて体温奪われるよりも外に出してもらう事が重要なのだろうか。
 文鳥の価値観は分からない。

両側から悪いこと

 チャンドラのカゴにかぶせている布が垂れてきたのを囓る2羽。


 お互い、反対側でも囓っている事に気付いていない。

 そのうち、長門が力に任せてどんどん布を自分のカゴに引っ張り込んでしまい、囓れる面積が減っていくフェデフルールは不思議そうな顔をしていた。

寺と神社と鹿とカラス

 帰宅後すぐに寝てしまったため、遅れてアップしています。

 奈良最終日は東大寺と春日大社を回る予定。
 だが、前日の階段と坂道苦行の疲れがまだ残っているらしく、どうも意気が上がらない。
 しかもキャッシュカードを忘れてきていたために手持ち現金がそろそろ底をついてきている。
 最初は、いざとなったらクレカがあるからなんとかなるだろうと思っていたのだが、地方はキャッシュレス決済に対応していない店も多いし、神社仏閣はそもそも現金しか使えない。
 駅からすぐの東大寺と春日大社ならその気になればまた来れるし、無理をしないで適当なところで帰ろう。


 道を間違えたのでショートカットしようと境内を通った興福寺。有名なイケメン阿修羅像のある寺。
 通り抜けるだけなのも何なので阿修羅像含めてちょっと見てきた。


 東金堂。
 本尊、薬師如来が補佐役の日光菩薩、月光菩薩及び弁論に長ける維摩居士、知恵の文殊菩薩を両脇に従え、その周囲を武器を構えた十二神将が固め、さらに壇の四隅で四天王がにらみをきかせるという、なかなか迫力のある配置になっている。
 見ながら「仏の軍隊」なんて単語がちらっと浮かんできてしまったのはここだけの話。


 北円堂。
 ……もともと行くつもりがなかった所なので、下調べしてないんです。すみません。

 阿修羅像ばかりが有名だけど、もともとこれは八部衆という、8人の神様のうちのひとり。
 残りの7人の像も阿修羅に劣らずみんな穏やかでかわいらしい顔をしているので、もっと有名になってもいいと思う。


 興福寺前からバスにのって東大寺へ。
 これは大仏殿の前の池。


 大仏殿。
 写真だとこぢんまりしてしまうが、高さは約50メートル、幅約58メートル。目の当たりにすると本当に圧倒的。
 出入りしている人と比べるとその大きさが分かると思う。
 しかもこれが全部木。これだけの物を作れてしまう日本の木材の豊かさもすさまじい。


 大仏と虚空菩薩。


 大仏様と如意輪観音。

 本当に全てがでかい。


 花瓶の飾りの蝶。かわいいけどやっぱり巨大。


 お水取りで有名な二月堂。


 二月堂からは奈良盆地が一望できる。
 夜景もきれいだろうなー。

 とりあえず見たい物は見たので、帰ろうかそれとも春日大社に行こうか考えながらふらふらそこらを歩いていく。


 大仏殿の後ろの講堂跡と広場。逆光なので色があせてしまったが、黄色と緑と赤のコントラストがとてもきれい。
 同じ事を思う人は多いらしく、写生に興じるおじさんおばさんがいっぱいいいた。


 門の奥に見えるのがあの正倉院。


 生正倉院だ……すごいなあ……。


 林の中に立派な角の牡鹿と20頭ぐらいの牝鹿の群れがいた。


 やや警戒気味にこちらを眺めるボス牡鹿。かなりのイケメン。
 このあたりは東大寺の裏側で訪れる人も少ないことから、角切断の憂き目をまぬがれたと思われる。


 やがて、立ち上がると座っていた牝鹿を追い払い、地面の匂いを嗅ぎ始めた。
 どうやら発情を確かめているらしい。


 イケメンもどこかに消え去るフレーメン顔。
 一方のメスはかなり迷惑そうだった。


 群れがいる林の横には池があって、こんな趣深い風景が撮れた。

 もう正倉院と鹿で満足したので、これで帰ろうかな。
 でもまだ昼前だからもうちょっとぶらぶらしよう。


 東大寺はところどころに、無縁仏の墓標だかかなにかの記念碑だかがまとめられている場所がある。
 こういうのも、由来を調べたらそれなりの歴史がありそう。


 この鹿も角が立派。
 身体の大きさはさっきの牡鹿に負けるけど。


 東大寺から出て少しの所に、いやに立派な門構えの建物があると思ったら知事公舎だった。
 さすが奈良は違うな。



 池のほとりで何やら一生懸命ほじくったり、木の枝を拾っては落としたりしていたカラス。
 何をやっているんだろうと見ていたら、そのうち気付かれて文句を言われたので退散した。
 本人は秘密のつもりだったらしい。

 そして、帰ろうとしていたはずなのに、なぜか気付いたらいつの間にかバスに乗って春日大社に来てしまった。
 あれ? なんで?


 朱塗りにいい感じに日が当たっている門。
 大量の中国人観光客とそうでもない西欧人観光客に、七五三まで加わって結構な賑わい。


 左側が舞殿。ここからでも参拝できるが、実はこの舞殿、本殿からかなり低い位置に建っている上に位置的に斜め、しかも本殿側の御簾が低めに下ろしてあるので、ここからだと本殿が良く見えない。
 でも別途500円を払えば本殿敷地内に入り、正面からお参りできるという、実に良くできた金儲けシステムになっている。
 まあ、じゃあ500円払いましょうか。


 小さな末社とイチョウ。
 奈良に来てから今日まででまた紅葉が進んだ印象。


 本殿。


 藤波之屋という、真っ暗な回廊に釣り灯籠がたくさん灯してある場所。

 うん、まあいろいろ見たし、今度こそ帰ろうかな。


 こうやって道路側を眺めている鹿は大抵人間が何かくれるのを待っている。
 良く訓練された鹿は、人が接近すると物欲しげに見つめるのだが、「ないよ」と両手を広げるとすぐにさっと目をそらして了解の意を伝えてくる。


 顎がかゆい鹿。


 頭がかゆい鹿。
 倒れた杉の枝をかぶってごしごししていた。

 最終日は適当になったけど、面白かった。
 今度は絶対に三輪山に登りたい。

神社とか寺とか鳥とか猫とか

 奈良2日目はちょっと遠出の三輪山。


 おお、ちょっと後光っぽい写真が撮れた。
 幸先いいなー。


 三輪山をご神体とする大神神社。
 三輪山信仰は記紀以前に遡ると思われる古い古い信仰。一体どんなものなのか一度行きたかったのだ。
 が……。


 なんということでしょう。
 大嘗祭当日祭を行うため入山不可。
 そういえば、大嘗祭って皇居だけじゃなくて、全国の神社でも一斉にやるのね。
 まあある意味一生に一度できるかできないかの経験ではあるかな……。


 ちなみにここが、三輪山への入山口を持つ狭井神社。


 まあ山には入れなかったけど、その分珍しいものが見れた。
 何の儀式かわからないけど平安装束で拝殿に向かう神主さんたち。
 外にも、写真には撮らなかったが、朝いちには神楽をやっていた。


 三輪駅からだと二ノ鳥居の所に出るのだが、一の鳥居が超巨大でどうしても撮りたかったので、わざわざ1キロ以上歩いて撮ってきた。


 三輪駅の野良猫、その1。メスでお腹が大きかった。
 人恋しげにニャーニャー鳴いているくせに、近寄ると逃げる行動原理が読めない猫。


 三輪駅の野良猫、その2。顔が大きいので多分オス。
 駅のベンチに居座っていて、隣に座っても逃げないがリュックを落としたら逃げたこれも行動原理が読めない猫。

 次の目的地は長谷寺。
 三輪から電車で20分ほどの所にある山寺で、創建はもちろん奈良時代。
 初瀬という場所にあることから、当初は初瀬寺などと言われていたのが長谷になったっぽい。
 ちなみに、サイトには徒歩15分と書いてあるが、実は近鉄の長谷寺駅と長谷寺は両者谷を挟んで反対側の山腹にあるため、上り下りを考慮すると絶対に15分ではつかない。


 途中立ち寄った與喜天満神社。
 山中にあるため、参道が100段以上の階段だった。
 大変だった。


 しかし長谷寺が一望できる眺めは素晴らしい。
 中央にあるのが山門。右上の大きな建物が金堂。


 立派な長谷寺の山門。


 そしてまた階段。


 階段。

 そう、山の中腹に貼り付くように建っているこの寺は、道がすべて階段か急坂なのだ。
 與喜天満神社で使い果たした脚力にさらにダメージが重なってライフがゼロになりそう。


 でも一方で、五重塔を同じ目線から見るみたいな珍しい体験もできたりする。



 そして紅葉がここでもきれい。
 個人的にはまっさかりよりも、こんな風に色づき始めたグラデーションの時の方が好き。


 一方で十月桜も満開。

 そんなわけで、風景と階段を堪能したので(もちろんお参りもちゃんとした)駅に戻ることにしたのだが、谷を越えるためにまた坂と階段を下がって上がってという苦行を経ないと駅にはつけないのだった。
 もうライフがマイナスになりそう。

 ただ、この時点でまだ15時なので、もう1カ所、橿原神宮に最後に行くことにする。
 これも長谷寺から電車で30分ぐらいなのね。


 橿原神宮の門。
 橿原神宮は、神武天皇が開いた橿原宮の跡地(と言われる場所)に明治になって作られた神宮。なので歴史的な位置づけとしては多分ちょっと劣る。
 そもそも神武天皇は伝説上の存在なのだけど。多分、当時の豪族の中心的存在の誰かがここに拠点を置いたのが実際なんだろう。


 橿原神宮の境内。後ろに見えるのは畝傍山。
 そういえば、初瀬は蝕雷で沈没したし、畝傍はフランスからの回航中に消息を絶ってますね。


 めちゃくちゃ広い拝殿。
 土地を購入した明治政府の力がすごかったのか。
 単になにもなくて安い予算で広い土地を買えたのか。


 キジバト。
 カメラを向けたら逃げるかどうかちょっと迷ったようだったが、何を思ったのか逆にこっちに近づいてきた。


 境内では菊花展をやっていた。そういえば丁度季節だね。
 これは一文字という、皇室のご紋になっている菊。


 隣になった小さなお稲荷さん。
 連なる鳥居がきれい。



 そして神宮の隣の池には小さなカモがいっぱい泳いでいる。
 人を全然怖がらずすぐ近くまで近づいてくる。


 猫もいた。クリーム色で毛艶も良くてきれい。
 獲物には不自由しなさそう。


 とにかく数が多いので、見ていて飽きない。
 眺めていたら近所のおじさんがやってきて餌をやり始めたので、一斉にそちらに向かっていった。


 100羽ぐらい集まってきているが、何しろ小さいのでそれほど迫力はない。
 ちなみにやっているのはかっぱえびせんだった。


 そしておこぼれがほしくておじさんの足元をハトがうろうろしている。


 そして猫までやってきた。
 岸に近づくカモを狙うのかと思ったら、おじさんからかっぱえびせんをもらってカリカリ食べている。
 それでいいんだ……。


 カモVSハト。


 水の上でもなんかケンカしてるのがいる。

 そんなこんなでとにかく面白いので、おじさんがエサをやり終わるまで眺めてしまった。
 最後に猫を撮ろうとしたら、こいつも何かくれると思ったのか寄ってきた。


 ごめんよ、長谷寺で買った草餅しか持ってないんだ。
 求めているのはそういうのじゃないよね。


 そろそろ日も暮れてきたし、帰ろうか。
 二ノ鳥居側から一の鳥居とその向こうの山を撮ってみた。

 帰りは駅の階段すら苦痛だったことを、ここに報告します。

平城京で鳥三昧

 突然だが奈良に来ている。
 実は11月に京都と奈良の自衛隊の基地や駐屯地を回る研修をする予定だったのだが、災害派遣がかさんだために中止になってしまった。
 もともとついでに観光地を見るつもりでいたので、この際自分で奈良旅行をしてしまおうと思った次第。
 奈良なんて小学生の頃家族旅行で東大寺に行ったっきりだな。
 この辺の歴史は割と学期の最初の頃にやるから、むしろ京都より覚えていることは多いのだが。


 というわけで、とりあえずは無難な法隆寺にやってきた。
 着いたのは朝9時半頃。平日なのであまり人もいないだろうと思いきや、10時を過ぎたあたりから小中学生の遠足や修学旅行とおぼしき団体が陸続とやってきて、あっというまにあたりが制服や黄色い帽子に埋め尽くされてしまった。
 まあでもみんな行儀が良いし、ガイドさんの説明をさりげなく立ち聞きして楽しんだりとかできたから面白かったけど。


 金堂。教科書でおなじみの面長の薬師如来像がある。


 大講堂。よくわからない。


 日本最古の五重塔。


 秋に咲く十月桜と紅葉のコラボ。
 急に寒くなったので結構あちこち赤や黄色になっていた。


 寺と紅葉。


 松のてっぺんで一生懸命何かをやっていたカラス。


 日本最古の門。
 日本最初の寺だから当然といえば当然だが、法隆寺にはこういう「日本最古」が無造作にあちこち転がっている。


 鬼瓦かっこいい。


 寺と紅葉。その2。


 聖徳太子の供養のために建てられた夢殿。
 たまたま秘仏の救世観音を公開していて見ることができた。


 ここは法隆寺ではなく、聖徳太子のお母さんに由来する中宮寺。
 もともとは違う場所にあり、1度絶えたがその後今の場所に再建されたらしい。
 本堂は水の上にある珍しい形だが、行った時は掃除中で水が抜かれていた。
 ちなみに、ここの本尊も教科書でよく見る頬に片手を当てた菩薩半跏増。


 寺と紅葉。その3。

 ううむ……なんだろう。思ったより感動はなかったな。
 なんというか……僧侶の姿が全くなくて、受付とか案内とか整備とか、いるのがボランティアのおじさんおばさんばっかりなのですよ。
 一応、聖徳宗という宗派の現役の総本山ではあるのだが、生活臭のない観光地を見ているみたいな感じに見えちゃったのかもしれない。

 それでも結構ぐるぐる回って次の目的地、唐招提寺に行こうとしたのだが、地図を見たら歩いて10分ほどの所に藤ノ木古墳があったので足を伸ばすことにする。
 ここは盗掘を全く受けず、豪華な副葬品がそのまま、しかも人骨とセットで見つかったという希有な古墳なのだ。
 せっかく来たんだからひとつぐらいは有名な古墳も見ておきたい。


 斑鳩っぽい雰囲気の写真。
 斑鳩という地名は、一説によれば鳥のイカルが多いかららしい。


 そして藤ノ木古墳。
 えぇ……。
 いや、作られた当初は確かにこんな感じだったのだろうけど……なんか思ってたのと違う……。

 そして、中に入ることはできないが、出入り口のガラス窓から中がのぞけるという。
 人が近づくと自動で中に照明がつくとのことなのだが、なんと照明が故障中で見えるのはほぼ暗闇。ひたすら見てると遠くに微妙に常夜灯みたいな小さな明かりがあるっぽいぐらいしかわからない。
「ガラスに顔を近づけて目をこらし、闇に目を慣らしてご覧ください」とか書いてあるが、そんな10メートル先の闇を見通すとか超人的な能力はないので、カメラのF値に頼ることにする。
 行け、G9X!


 行った!
 G9X頑張った!

 もっとも、副葬品とかは全部近くの資料館に移されてるんだけどね。
 そこを見てから、改めて唐招提寺に向かうことにする。


 法隆寺から唐招提寺まではバスで40分ほど。
 途中の道路を歩いていたセキレイ。


 唐招提寺の駐車場のあたりにボンネットバスが停まっていたが、なんだろうか。


 唐招提寺。これも教科書で有名な鑑真座像があるお寺。
 普段は公開されてないけれど。


 金堂。


 数々の伽藍からはずれた奥のほうに、ひっそりと鑑真の墓(御廟)がある。


 苔が美しい墓への小道。


 墓。
 あの鑑真がここに葬られているわけですよ。
 教科書でしか知らなかった鑑真とここで向き合ってるわけですよ。
 なんかすごい。


 そんな感動にひたりながら墓の周りを回ると、墓を囲むように作られた池にはカルガモがいっぱいいいた。


 御廟を出て境内をぶらぶらしていたら、すぐ近くまでやってきた鳥。
 調べたらマヒワのメスみたいだけど、あまり人を怖がらないのか、カメラを向けても結構な時間ちょろちょろしていた。


 なんかの建物。
 実はここも僧侶の姿を全く見かけない。
 律宗という宗派の総本山ということなのだが、観光向けの運営は外部やボランティアに任せて、お坊さんたちは本業である修行に集中しているということなのかな。

 そんなわけで、法隆寺と違って感慨にふけりながら唐招提寺を後にしたのだが、この時点でまだ15時過ぎ。
 もうちょっと法隆寺の近所の寺とか神社とか回れば良かったと思いつつ、奈良国立博物館で正倉院展が今日までだったのを思い出した。
 ネットで混雑状況をチェックすると、行列はなし、快適にご覧いただけますということなので、行ってみよう。


 そして現地で、入場料1,100円がなんとご即位記念で無料ということが判明する。
 しかも確かに並んでいない!
 これはもしや超ラッキーな可能性?

 ……結論から言うと、上野の「正倉院の世界展」より若干ましという程度だった。
 まあ、辛抱強く待っていればそのうち前が空いて最前列で見れるので、そういう意味ではそれほど悪くなかった。


 とりあえず鹿撮っておくか。
 鹿ってたてがみがあるのね。

 しかし奈良、想像以上にボリュームがある。
 名所と名所の距離がそれほど離れていないので回るのは割と簡単だが、何しろ数が尋常ではない。
 多分これ、きちんと見ようと思ったら1週間ぐらいいる覚悟でないと駄目だわ。

外へのあこがれ

 カゴの外にも世界があるということを知ってしまったフェデフルール。
 もう好奇心がうずいてしょうがないらしく、何かというとこうやって外に出たいアピールをするようになった。


「…………」

 外に出してやったらどのぐらい大喜びするだろうと人間様の親心もうずいてしょうがないのだが、やはり手を怖がるうちは出してやるわけにはいかない。
 いい加減、強情張ってないで手に馴れたらいいのに。

外国の皇室のお宝と日本の皇室のお宝見てきた

 また「正倉院の世界展」(後期)に行ってきた。
 だって、後期限定展示の白瑠璃椀と紺夾纈絁几褥見たかったんだもの。


 今回はついでにこれも見てきた。
 うん、まあハプスブルクって感じ。
 図録を買う予定はなかったんだけど、好きな絵が絵はがきになっていなかったので結局買ってしまった。


 また来たよー。

 今回は18時頃に入ったのだが、入場規制はしていなかった。
 まあ激混みは相変わらずだったけど。

 白瑠璃椀は写真と全然印象が違った。
 ガラスならではの透明感とか微妙な色とか、1500年前の物とはとても思えない。
 恐らく、当時のガラスがそのまま保存されている世界でも唯一の例だと言うけど、そういう背景を抜きにしても単純に美術品として美しい。
 紺夾纈絁几褥とはこれ
 これを風呂敷にしたグッズを売っていたんだけど、思わず買ってしまった。