エリザベスカラーがはずれてようやく行動の自由を取り戻したサーラルは、それまで貯めていたエネルギーを放出するかのように、暇さえあれば外に出せと要求してくる。
 目が合うどころか、同じ部屋で在宅勤務中の人間様が姿勢でも変えようものなら、即カゴの網に飛びついてきて大声で催促鳴きを始める。
 このエネルギーをどこか別の方向に発散させなければ、お互い安寧の時はない。
 そこで、サーラルの気をそらすべく、新しいオモチャを作って与えてみることにした。

 たまたま買い置きしてあったマンチボールを紐でつなげただけ。
 突然見慣れぬ物を吊されて恐くて奥に貼り付くサーラル。

 なにか言いたそうにこちらを見てくるが、撤去するつもりはない。
 慣れるが良い。
 確か10個ぐらい在庫があったはずだけど、いつまでもつかな……。
 いやその前に飽きるかもしれない。

