国立科学博物館の「宝石展」に行ってきた。
一般受けしやすいテーマだし、始まる前から結構あちこちで宣伝されていたので、これは混むかもなあと思っていたのだが、案の定大変だった。
大混雑。
昨今の例に漏れず、この催しも当然ながら入場は時間ごとに事前予約が必要なのだが、どうもこの予約とは単に「外に行列を作らせない」ためのものっぽい。
だから、恐らく上限人数などはないし、外に行列ができさえしなければ、来た人を次から次へと入れてしまう。結果、中にどれだけ人が詰め込まれようが滞留していようが、そのあたりは一切お構いなし。
この辺は国立博物館の方がきちんと管理しているように見える。
あと、大体の展示が写真撮影可能というのも良くなかった。
スマホを持った人達が、暗い中、ガラスケースの中で輝く宝石やアクセサリーを、ケースに覆い被さるようにしていつまでも撮り続けている。
そうされると展示品が他の人から完全に見えなくなるので、終わるまで待つしかない。しかも若い女性とかは、撮り終わると再びケースに覆い被さって食い入るように眺め始めたりする。気持ちは分かるがそうやって後ろに10人以上溜めてる人(そしてそれに気付いてない人)が何人かいた。
人間様は実は今回コンデジを持っていっていて、これだと混んでいる場所でも片手でさっと人の間に差し入れてさっと撮って引っ込めるという事ができるのだが、混む事が予想されるのに安易に撮影可にするべきじゃないなと切に思った。
まあとりあえず気を取り直して。
一抱えもあるトルマリンの原石。
展示内容は、鉱物としての宝石→カットや加工の種類→宝石の種類→宝石を使ったアクセサリー(現代)→宝石を使ったアクセサリー(歴史上の傑作)と流れていく。
この原石たちがなかなかすさまじい。
アクセサリーなんかよりも、原石の展示を充実させれば良かったのでは? とも思う。
だって絶対こういう博物館でしか出さないよ、この規模の原石なんて。
なんか生物感漂う緑色の謎の石。1メートル以上ある。
名前も謎だった。
翡翠の代わりに良く使われるらしい。
圧巻のアメジストドーム。
高さ2メートル以上、幅1メートル以上の鍾乳石(?)の中の空洞が、まるごときらきら輝くアメジストに埋め尽くされている。
もういつまで見ていても飽きないのだが、人がいっぱいなのでほどほどであきらめた。
指輪を人類史に沿って、加工や流行の変遷が分かるように並べていったもの。
古代の発掘物から20世紀のブランド品まで、100個以上にも及ぶだろうか、ずらりと並んでいる。
こんな展示ができるのも恐らくこの科博だからで、できれば時間をかけてじっくり見たかったのだが、ものすごい人が群がっていてすき間から覗くことしかできなかった……。
ここからは宝石の種類の展示。
産地別のサファイアの指輪。
微妙に色や輝きが違うのだが、お分かり頂けるだろうか。
パライバトルマリンは、実はパライバ鉱山産のネックレスを持っていたりするのだが、最近は別鉱山の緑がかっていたりガラスみたいに透明度が高い薄い青だったりの物が主流なので、あんまり気付いてもらえないのよねえ……。
ピジョンブラッドと呼ばれる最高級のルビー。
ルビーは後付けで処理をすれば、いくらでも鮮やかな赤を作れるんだけれど、これは何も処理をしない産出されたままでこの色なのが価値が高いらしい。
オパール大好き。
でもオーストラリア産のいいものはめちゃくちゃ値上がりしていてもう手が出ない。
ここからは現代の宝石アクセサリー。
これ、加工もだけど、サファイアがすごい。
トラピッチェエメラルド(六角形の独特の模様が入る珍しいエメラルド)のカメ。かわいい。
そしてこの後に、古代エジプトからヨーロッパ各国の貴族のティアラまで、歴史上の宝石アクセサリーの傑作の展示のパートがあるのだが、そこは撮影禁止だった。
でも、王侯貴族が金と時間に糸目をつけずつぎこむ事が許されていた時代の、今では絶対に作る事ができない豪奢なアクセサリーの数々はまさに眼福。
結構個人蔵の物もあるので、原石と並んでこういう機会でないと見られないと思う。
本当は常設展示も見たかったんだけど、もう人にまみれて疲れたので帰ってきてしまった。
しかしこれはじっくり見たいと思ったら、平日の午前中とかにでも来るしかないな。
写真で見るだけでも美しいですね……!
実は気になっていた展示なのですが、遠方なもので涙を呑んで諦めていたので、こうして目にできてとても嬉しいです。できるなら貸し切りにしてみたいぐらいですね……。
サーラルさんの嘴も落ち着いてきて我が事のように嬉しいです。
深度測定長さんのブログを見ていると、マメルリハもお迎えしたくなります。
少しでもお役に立てて良かったです。
じっくり見ればかなり面白いと思うので、もう少し人が少ない時を狙ってもう一度行きたくはありますが……。
マメルリハは個性的で面白いですよ。少々癖のある子もいたりしますが、それもまたかわいいです。