「テルマエ・ロマエ」を見てきた。
前半は正直、コミックの劣化再現番組でしかない。阿部寛の全力演技のおかげで笑える物にはなっているけど、これならコミック読んでいたほうがいい。
むしろ、コミックが全然関係なくなる後半のほうが面白いと思った。
やたらと作り込んでる前半にくらべて、後半は明らかに製作側が息切れしており、基本的な矛盾のチェックすら充分にされていないほど何もかもがおざなりになっているのだが、何というか、映画としてはむしろ後半のほうがまっとうな感じ。
あと、これ、阿部寛と上戸彩は完全にミスキャストだと思う。全然反対の意味で。
阿部寛は演技はいいと思う。良くここまでルシウスを再現したなという感じ。
ただ唯一、「阿部寛」なのが致命的。古代ローマではそれほどでもないんだけど、現代日本に来ると「古代ローマ人のふりをする日本人」でしかなくなってしまっている。
「テルマエ・ロマエ」の面白さは、そもそも世界が違う人間であるルシウスの、現代日本での壮絶な「異質感」にあるのだが、阿部寛の場合、いくらこの「異質感」を出そうとしても、もともとが日本人であるため、結局周囲になじんでしまう。感覚として「異世界人であること」が伝わってこない。
まあこれは日本人役者を使う限りどうしようもないんだけどね。
上戸彩はこれは完全にいらない子ですな。キャラクターとしての腰が定まっていない上に演技もなんかひとりだけおかしい。正直無理矢理感が強く、彼女が出てくるといろいろぶち壊しになって困る。
無理して女を使ってストーリーをひっぱろうとしないほうが良い。
もともと見るほうもこの作品に女っ気なんか期待していないんだから。
映画館は満員で、ネット予約していなければ入れないところだった。
他の人の会話を小耳に挟んだ限りでは、原作を読んでいないほうが面白く感じるっぽい。
今話題の風呂映画である
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