「最強のふたり」を見てきた。
「ローマ法王の休日」ほどひどくはないけど、これも日本語タイトルと編集を加えた予告編で中身の誤認を狙ってる映画だと思う。
全身麻痺の富豪フィリップと、彼の気まぐれで介護士として雇われたスラムの黒人ドリスの間に友情と連帯感が芽生える、これは確かに間違っていない。
ただ、単純に笑って泣いて、心温まる映画ですで終わるかと言うと、そうではない。
この映画、元々の原題は「Intouchables」。これをエキサイト翻訳で自動翻訳すると「不可触賎民」と出てくる。
要するに、全身麻痺の障害者であるフィリップと、スラムの黒人であるドリス、どちらも社会から「同情はされるが誰も触れたがらない」立場である両者が、互いに「自分に触れることを恐れない存在」を得たことで、それまで閉じこもっていた世界から踏み出していくというのが、実際の話なのだ。
まあ、こんなタイトルをそのまま日本でつけるわけにいかないから、この「最強のふたり」というのも知恵を絞っての物だと思うけど、結果として、映画の本質からまったくはずれた印象を与えるものになってしまっている。
とはいえ、内容的にはそんな重い部分はなく、さらりと見られる。さらりとしすぎてラストはちょっと物足りないかもしれない。
一見下品で傍若無人、犯罪歴があり盗みも嘘も平気、やりたい放題に見えながら、実は繊細で面倒見がいい(何しろスラムの家に帰れば、自分を養子にしてくれた叔母と幼い弟妹が山のようにいるのだ)というドリスのキャラクターが、フィリップなど他の登場人物を嫌味のない形で引っ張っていくので、明らかにできすぎたストーリーにも、それほど違和感なく入っていける。
多分、今流行りの、深く物事を考えずに勇気や力をもらいたい人には最適の映画だと思う。
いや、普通に見ても面白かったですよ。念のため。
Intouchables
コメントを残す